三重県伊賀(いが)市上野丸之内にある城。普通、伊賀上野城とよばれ、白鳳(はくほう)城の別称もある。戦国期から江戸期の城。江戸期初頭の築城の名手として知られる藤堂高虎(とうどうたかとら)の縄張りであるが、城そのものは1581年(天正9)織田信雄(のぶかつ)の臣滝川雄利(たきがわかつとし)によって築かれている。ついで1585年、豊臣(とよとみ)大名の一人筒井定次(つついさだつぐ)が封ぜられ、大掛りな修築を施している。1608年(慶長13)失政をとがめられた定次が改易されると、かわって藤堂高虎が入り、大坂城包囲網の一つとして大修築が行われ、1614年完成した。ただし、天守閣は1612年の暴風で倒壊したあと再建されなかった。江戸期を通じて津城を本城とする藤堂氏の城代支配が幕末まで続いたのである。現在本丸に建つ復興天守閣は1935年(昭和10)の模擬天守。本丸西側の高石垣は約30メートルの高さをもつ。
[小和田哲男]
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