平山城(読み)ヒラヤマジロ

デジタル大辞泉 「平山城」の意味・読み・例文・類語

ひらやま‐じろ【平山城】

平野部にある丘陵を利用して本丸を築き、周囲外郭を設けた城。

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精選版 日本国語大辞典 「平山城」の意味・読み・例文・類語

ひらやま‐じろ【平山城】

〘名〙 平地にある丘を利用して築いた城。
※街道記‐ささやま街道(1956)〈井伏鱒二〉「方型のこの平山城(ヒラヤマシロ)としては、〈略〉二層程度の櫓を置いた方が」

ひらさん‐じょう ‥ジャウ【平山城】

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百科事典マイペディア 「平山城」の意味・わかりやすい解説

平山城【ひらやまじろ】

戦国期以降の築城形式の一種中世には山城(やまじろ)が多かったが,領国支配のための政治的要請戦闘の変化(鉄砲を用いた集団戦)などから,領国の中心の平野の見通しの良い丘陵上に築かれるようになった。政治・交通の中心となり城下町発達。近世城郭主流姫路(ひめじ)城彦根(ひこね)城犬山(いぬやま)城など。→
→関連項目小田原城川越城韮山城平城山城

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「平山城」の意味・わかりやすい解説

平山城
ひらやまじろ

城地地形による分類の一形態。独立丘陵,小山または連山の峰とその山麓一帯に構築物が設けられた城。山や丘の高さには明確な基準はない。典型的な例は,姫路城松山城などで,通常は山上に本丸,山麓にかけて諸郭が造られた。近世大名居城が多い。 (→平城 , 山城 )  

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「平山城」の解説

平山城
ひらやまじろ

丘城とも。城郭の地形による分類の一つ。丘に築かれた城。軍学による定義では山と平地の両方にわたって築かれた城とするが,現在では山麓から城内最高所までの比高が20~100m程度のものを一般によぶ。滋賀県の彦根城などが代表例。

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旺文社日本史事典 三訂版 「平山城」の解説

平山城
ひらやまじろ

安土桃山時代,平野のなかの起伏を利用して築かれた城
中世の自然の険を利用した山城から江戸時代の交通の便利な平野につくられた平城への移行期に現れた城で,安土桃山時代に多く築かれた。

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世界大百科事典(旧版)内の平山城の言及

【城】より

…また,居住施設としての比重の高い(たて)や環濠集落,あるいは城壁で囲まれた都市を含める場合もあるが,その場合は城郭や城館という語を用いた方がよい。【村田 修三】
【古代】
 古代の城柵は7世紀中ごろの天智朝以前の神籠石(こうごいし)と,天智朝に唐や新羅に対する防備のため対馬の金田城,讃岐の屋島城をふくむ九州から大和にまで築いた城,8世紀の怡土(いと)城などの西国の防御的な山城(さんじよう∥やまじろ)と,8,9世紀に東北経営の拠点として築いた平城(ひらじろ)または平山城(ひらやまじろ)に分けることができる。 天智朝の百済人の指導による築城は,実戦的に防御正面に急峻な地形を選び,その背後に山稜がめぐる谷をとりいれた楕円形の平面をもち,山稜を石垣や土塁でつないでその間に数ヵ所の城門を配している。…

※「平山城」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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