不動産取得税(読み)ふどうさんしゅとくぜい

精選版 日本国語大辞典 「不動産取得税」の意味・読み・例文・類語

ふどうさん‐しゅとくぜい【不動産取得税】

〘名〙 売買や贈与などによる不動産取得に対して課される租税。都道府県税一つで、不動産の取得者を納税義務者とする。

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デジタル大辞泉 「不動産取得税」の意味・読み・例文・類語

ふどうさん‐しゅとくぜい【不動産取得税】

売買・贈与・建築などによる土地家屋の取得に対し、都道府県が課する地方税

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改訂新版 世界大百科事典 「不動産取得税」の意味・わかりやすい解説

不動産取得税 (ふどうさんしゅとくぜい)

不動産(土地および家屋)の取得に対し,地方税法に基づきその不動産所在の道府県において,その取得者に課する地方税。古くから地方税の雑種税として存続していたが,1950年の税制改正でいったん廃止され,現行道府県税としての不動産取得税は54年に創設された。法人,個人を問わず,不動産を取得したすべての者が納税義務を負う。取得の原因は,有償,無償のいずれの場合をも含み,また,売買,贈与といった承継取得のみならず,家屋の新築,土地の造成等の原始取得も含まれる。ただし,相続,法人の合併等による形式的な移転は含まれない。課税標準は,不動産を取得した時点の不動産の価格であり,固定資産課税台帳に価格が登録されているものについては,原則として,この登録価格がその不動産の価格とされる。なお,日本の住宅事情に配慮して,新築あるいは中古の住宅のうち一定のものについては,課税標準となる価格を減額して税負担を軽減している。標準税率は4%であり,道府県が標準税率を超える税率で不動産取得税を課する場合には,あらかじめ自治大臣に対して届け出なければならない。なお,住宅の取得が,1981年7月1日から98年6月30日までの間に行われた場合には,課税標準・税額軽減の特例として,(1)住宅の取得にかかる標準税率を3%に引き下げ,(2)土地を取得した者が一定期間内にその土地の上にある住宅を取得した場合には税額の1/4に相当する額を減額する,という暫定措置が講じられた。土地のうち10万円未満のもの,建築により取得した家屋のうち23万円未満のもの,その他の家屋のうち12万円未満のものは,それぞれ課税されない。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「不動産取得税」の意味・わかりやすい解説

不動産取得税
ふどうさんしゅとくぜい

道府県の普通税の一つ(地方税法4条1項,2項4号)。土地または家屋といった不動産売買贈与交換,建築などを原因として取得したときに,当該不動産の取得者に対して課税される流通税の一種。相続による取得の場合は非課税となる(73条の7の第1号)。課税標準は不動産取得時の不動産の価格(原則として固定資産課税台帳に登録されている価格)で,税率は特例を除き,原則として 4%。不動産の取得の時期は,契約内容などから総合的に判断し,所有権が移転したと客観的に認められる時期をいい,その登記の有無は問わないものとされる。なお,一定金額以下の少額の不動産取得に対しては課税されない(73条の15の2)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「不動産取得税」の意味・わかりやすい解説

不動産取得税
ふどうさんしゅとくぜい

道府県税の一つで、土地または家屋の所有権が移転する場合、またはこのような権利を原始取得した場合に課する税。この税は固定資産税(市町村税)の一部先取りであるとする考え方もある。通常、不動産の取得時には大きな担税力があるとされ、その時点で一部まとめて負担させるのが、その分だけ固定資産税を引き上げて徴収するよりも適切であるとする考えに基づくものである。不動産の取得とは、不動産の所有権の移転であって、それが有償であると無償であると、またはその取得原因が売買、交換、贈与などによろうと関係がない。納税義務者は不動産の取得者であり、課税標準は不動産取得時の不動産の価格(ただし一定の控除や免税点が設けられている)、標準税率は4%である。

[中野博明]

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不動産用語辞典 「不動産取得税」の解説

不動産取得税

不動産を取得した際に、課税される地方税を「不動産取得税」といいます。
この場合の取得には、購入だけでなく、新築や増改築、交換や贈与などによって所有権を得た場合も含まれます。
その税額は、原則として固定資産税評価額の4%とされています。
但し、住宅を取得した際または住宅用土地を取得した際には、
それぞれにおいて要件が用意されており、その要件を満たすと課税額が軽減される特例もあります。

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リフォーム用語集 「不動産取得税」の解説

不動産取得税

土地や家屋(新築・中古住宅含む)の購入や家屋の建築(新築、増改築など)など、新たに不動産を取得した場合に都道府県から課税される地方税。個人・法人の別、有償・無償の別、取得の理由を問わず、売買、贈与、交換、建築などにより取得した場合に納税義務が生じる。一定条件に適合した場合は家屋の課税標準の減額特例制度が受けられる。

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百科事典マイペディア 「不動産取得税」の意味・わかりやすい解説

不動産取得税【ふどうさんしゅとくぜい】

土地・家屋の取得(譲受,新築のほか,改築による家屋の価格増加も含まれる)に対し,その不動産所在の都道府県がその取得者に課す道府県税。標準税率は取得時の不動産価格の4%(住宅の税率は3%。住宅用土地の場合は税額の4分の1が減額される)。

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知恵蔵 「不動産取得税」の解説

不動産取得税

土地や家屋の取得があった時、不動産所在の都道府県がその不動産を購入した法人や個人に課す租税。改築によって家屋の評価価格が増加した場合も、取得とみなされる。課税標準は、取得時の不動産の価格(固定資産税評価額)で、標準税率は4%。

(浦野広明 立正大学教授・税理士 / 2007年)

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「不動産取得税」の解説

ふどうさんしゅとくぜい【不動産取得税】

土地や建物などの不動産を買ったり譲渡されたりした場合に、その取得者に課される地方税。対象となる不動産のある都道府県が納税先となる。

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世界大百科事典(旧版)内の不動産取得税の言及

【土地問題】より

…また土地租税には,土地の売買によって実現するキャピタル・ゲイン(資産の値上がり利益)の一部を公共に還元させることによって所得の再分配を進める機能もある。租税は一般的に所得税,流通税,財産税に分類されるが,日本の現行の土地租税には譲渡所得税(所得税),不動産取得税・登録免許税(流通税),固定資産税・都市計画税・特別土地保有税・相続税・譲与税および新設の地価税(1992年施行)(財産税)などがある。これらのうち財産税は,土地を所有することに対して,その土地の市場価格に一定率を乗じた額を課税するものであり,土地所有者はこの税がかけられると税負担に耐えるために土地を手放すか,あるいはみずから土地の有効な利用を進めなければならなくなるから,いずれにしても土地市場における供給促進の効果が期待できる。…

※「不動産取得税」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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