租税は経済活動のいかなる側面に着目して課税されるかにより、いろいろな種類に分類されるが、権利の取得・移転をはじめとする各種の経済取引またはその表現である行為に担税力を認めて課される租税を流通税とよぶ。わが国では、国税としては登録免許税、印紙税、日本銀行券発行税、とん税、特別とん税などが、道府県税では不動産取得税、自動車取得税、軽油引取税などが、市町村税では木材引取税などが流通税として分類される。
この概念はドイツで交通税Verkehrssteuerとして発達したものであり、わが国でも一般化しているが、イギリスやアメリカでは普及していない。流通税として分類される税は、もともとは手数料として徴収されていたものが多く、流通税と解しない場合には、消費税またはこれに準ずるものとして取り扱われている。
[林 正寿]
財やサービスの取引や流通に対して課される税。この形態の税の多くは手数料から発展した。
流通税の例としては,印紙税(印紙),登録免許税,有価証券取引税,取引高税,付加価値税,とん税,特別とん税などがある。印紙税は,財産権の取得や喪失,契約の締結などに関連して発行される特定の証書や帳簿などに課される税であり,手形,有価証券,商品券などの文書に課税され,印紙,証紙の形で徴収される。登録免許税は,政府の帳簿に財産権その他の権利や職業の登記,登録,変更などをするときに課される税である。取引高税は取引高すなわち売上高を課税標準として,また付加価値税は付加価値を課税標準として課される一般税である。とん税と特別とん税は,外国貿易に従事する船舶が入港するときに,登録トン数に対して課税される。
執筆者:林 正寿
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