流通税(読み)リュウツウゼイ

デジタル大辞泉 「流通税」の意味・読み・例文・類語

りゅうつう‐ぜい〔リウツウ‐〕【流通税】

財産権利取得移転などに対して課される租税登録免許税印紙税有価証券取引税など。交通税

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精選版 日本国語大辞典 「流通税」の意味・読み・例文・類語

りゅうつう‐ぜいリウツウ‥【流通税】

  1. 〘 名詞 〙 商品・財産の売買取引に対して課する租税の総称。有価証券取引税・不動産取引税・印紙税・登録税など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「流通税」の意味・わかりやすい解説

流通税
りゅうつうぜい

租税は経済活動のいかなる側面に着目して課税されるかにより、いろいろな種類に分類されるが、権利の取得・移転をはじめとする各種の経済取引またはその表現である行為担税力を認めて課される租税を流通税とよぶ。わが国では、国税としては登録免許税、印紙税、日本銀行券発行税、とん税、特別とん税などが、道府県税では不動産取得税、自動車取得税、軽油引取税などが、市町村税では木材引取税などが流通税として分類される。

 この概念ドイツで交通税Verkehrssteuerとして発達したものであり、わが国でも一般化しているが、イギリスやアメリカでは普及していない。流通税として分類される税は、もともとは手数料として徴収されていたものが多く、流通税と解しない場合には、消費税またはこれに準ずるものとして取り扱われている。

[林 正寿]

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改訂新版 世界大百科事典 「流通税」の意味・わかりやすい解説

流通税 (りゅうつうぜい)

財やサービスの取引や流通に対して課される税。この形態の税の多くは手数料から発展した。

 流通税の例としては,印紙税(印紙),登録免許税,有価証券取引税,取引高税,付加価値税,とん税,特別とん税などがある。印紙税は,財産権の取得や喪失,契約の締結などに関連して発行される特定の証書や帳簿などに課される税であり,手形,有価証券,商品券などの文書に課税され,印紙,証紙の形で徴収される。登録免許税は,政府の帳簿に財産権その他の権利や職業の登記,登録,変更などをするときに課される税である。取引高税は取引高すなわち売上高を課税標準として,また付加価値税は付加価値を課税標準として課される一般税である。とん税と特別とん税は,外国貿易に従事する船舶が入港するときに,登録トン数に対して課税される。
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百科事典マイペディア 「流通税」の意味・わかりやすい解説

流通税【りゅうつうぜい】

課税対象による税の分類の一つで,人がその行為によって財産の移転を生じつつある事実をとらえて課する税をいう。流通経済の発達に伴い,収得税と消費税のいずれにも属さない第3の分類として現れた。印紙税,登録税,一般取引税(日本には現存しない)などがこれに当たる。
→関連項目登録免許税

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「流通税」の意味・わかりやすい解説

流通税
りゅうつうぜい
transfer tax

財の取引,流通移転に関連して賦課される租税。この概念はドイツで発達し,日本でも一般化しているが,英米では普及していない。売上税,有価証券取引税,取引所取引税のように財の移転に対して直接課税するものと,印紙税登録免許税のように財の移転に伴う文書の作成や登記などをとらえ,財の移転に対し間接的に課税するものとの2つがある。

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