不熟(読み)フジュク

デジタル大辞泉 「不熟」の意味・読み・例文・類語

ふ‐じゅく【不熟】

[名・形動]
果物作物などが成熟しないこと。出来の悪いこと。また、そのさま。「不作不熟な(の)年」
熟練していないこと。また、そのさま。未熟。不熟練。「不熟文章
折り合いが悪いこと。不和。
「お前さんの機に入らなきゃア―の基だ」〈二葉亭浮雲
[類語]れる熟する熟むれる熟成する成熟未熟早熟晩熟追熟黄熟豊熟完熟爛熟

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「不熟」の意味・読み・例文・類語

ふ‐じゅく【不熟】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 作物・果実などが熟していないこと。成熟しないこと。作物の出来の悪いこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「凡遭水旱灾蝗。不熟之処。少粮」(出典令義解(718)戸)
  3. 熟練していないことやそのさま。また、物事がよく整っていないこと、こなれていないことやそのさま。
    1. [初出の実例]「若し此治を軽率に施すか、或は不熟の医に託するか」(出典:遁花秘訣(1820)牛痘の益及秀勝の弁)
    2. 「今の文界に勢力ある文躰は余りに西洋染(じ)みて不熟(フジュク)なる造語をもて溢るるばかりなれば」(出典:文学者となる法(1894)〈内田魯庵〉二)
  4. 家族との折合いが悪いこと。親しまないこと。不和。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「幾程母親さんの機に入ったからって肝腎のお前さんの機に入らなきゃア不熟の基だ」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)

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