デジタル大辞泉 「熟れる」の意味・読み・例文・類語 な・れる【▽熟れる】 [動ラ下一][文]な・る[ラ下二]《「慣れる」と同語源》1 食物がほどよく発酵するなどして、味がよくなる。熟成する。「よく―・れた味噌」2 腐る。「魚の―・れたる穿鑿せんさくもなく」〈甲陽軍鑑・三〇〉[類語]熟うれる・熟む・熟する・熟成する・成熟・未熟・不熟・早熟・晩熟・追熟・黄熟・豊熟・完熟・爛熟 う・れる【熟れる】 [動ラ下一][文]う・る[ラ下二]果実や穀物などが十分みのる。実がいる。熟じゅくす。「赤く―・れたトマト」[類語]熟する・熟む・熟なれる・熟成する・成熟・未熟・不熟・早熟・晩熟・追熟・黄熟・豊熟・完熟・爛熟 こな・れる【▽熟れる】 [動ラ下一][文]こな・る[ラ下二]1 食べた物が消化される。「胃のぐあいが悪く、食べ物がよく―・れない」2 世慣れて円満になる。かどがとれる。「人間が―・れてきた」3 物事に熟練する。無理なく思いのままに運用できるようになる。「芸が―・れる」「―・れた文章」4 調和の取れた状態になる。「じっくり煮込んで―・れた味になった」「地味だが―・れた着こなし」5 動きがおさまり、落ち着いた状態になる。「人気の新製品も当初に比べ価格が―・れてきた」[補説]俗に、「小慣れる」と書いて、「少し(感じよく)慣れる」の意で使われることがある。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「熟れる」の意味・読み・例文・類語 こな・れる【熟】 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙 [ 文語形 ]こな・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙① 砕けて粉となる。細かく砕ける。② 食物が消化する。〔俳諧・望一千句(1649)〕[初出の実例]「午時飯のお菜に煮た芋をせしめ込だのが、夫が貶(コナ)れてきたと見えて」(出典:滑稽本・七偏人(1857‐63)五)③ すっかりまじってしまい、それとわからなくなる。まざって調和する。また、とけこんで不自然でなくなる。[初出の実例]「人の噂も七十五日、こなれた時分に内会(ねえげえ)で、勝った積りで遣って見ろ」(出典:歌舞伎・夢結蝶鳥追(雪駄直)(1856)三幕返し)「『私はあなたを愛します』というのは不自然で、〈略〉これはまだ日本語としてこなれていない」(出典:変痴気論(1971)〈山本夏彦〉省略)④ 世間にもまれ、性格や考え方のかどがとれる。世間になれて円満になる。[初出の実例]「そんな所がこなれいでは本御女郎買とはいはれぬ」(出典:浮世草子・傾城禁短気(1711)一)⑤ 技術、知識などをすっかり身につけて思い通りに活用できるようになる。熟練する。[初出の実例]「附箋から外(そ)れて封筒の中央に彼の名を書いてゐる手は、何処かこなれぬといった感じの稚拙さだったので」(出典:ある対位(1926)〈ささきふさ〉四) う・れる【熟】 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙 [ 文語形 ]う・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 果実が熟する。実がいる。また比喩的に、成熟する。〔日葡辞書(1603‐04)〕[初出の実例]「こんなに熟(ウ)れてしまったからだを十日間も独りにしておくのは」(出典:薪能(1964)〈立原正秋〉六) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by