デジタル大辞泉
「熟れる」の意味・読み・例文・類語
こな・れる【▽熟れる】
[動ラ下一][文]こな・る[ラ下二]
1 食べた物が消化される。「胃のぐあいが悪く、食べ物がよく―・れない」
2 世慣れて円満になる。かどがとれる。「人間が―・れてきた」
3 物事に熟練する。無理なく思いのままに運用できるようになる。「芸が―・れる」「―・れた文章」
4 調和の取れた状態になる。「じっくり煮込んで―・れた味になった」「地味だが―・れた着こなし」
5 動きがおさまり、落ち着いた状態になる。「人気の新製品も当初に比べ価格が―・れてきた」
[補説]俗に、「小慣れる」と書いて、「少し(感じよく)慣れる」の意で使われることがある。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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こな・れる【熟】
- 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]こな・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 - ① 砕けて粉となる。細かく砕ける。
- ② 食物が消化する。〔俳諧・望一千句(1649)〕
- [初出の実例]「午時飯のお菜に煮た芋をせしめ込だのが、夫が貶(コナ)れてきたと見えて」(出典:滑稽本・七偏人(1857‐63)五)
- ③ すっかりまじってしまい、それとわからなくなる。まざって調和する。また、とけこんで不自然でなくなる。
- [初出の実例]「人の噂も七十五日、こなれた時分に内会(ねえげえ)で、勝った積りで遣って見ろ」(出典:歌舞伎・夢結蝶鳥追(雪駄直)(1856)三幕返し)
- 「『私はあなたを愛します』というのは不自然で、〈略〉これはまだ日本語としてこなれていない」(出典:変痴気論(1971)〈山本夏彦〉省略)
- ④ 世間にもまれ、性格や考え方のかどがとれる。世間になれて円満になる。
- [初出の実例]「そんな所がこなれいでは本御女郎買とはいはれぬ」(出典:浮世草子・傾城禁短気(1711)一)
- ⑤ 技術、知識などをすっかり身につけて思い通りに活用できるようになる。熟練する。
- [初出の実例]「附箋から外(そ)れて封筒の中央に彼の名を書いてゐる手は、何処かこなれぬといった感じの稚拙さだったので」(出典:ある対位(1926)〈ささきふさ〉四)
う・れる【熟】
- 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]う・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 果実が熟する。実がいる。また比喩的に、成熟する。〔日葡辞書(1603‐04)〕- [初出の実例]「こんなに熟(ウ)れてしまったからだを十日間も独りにしておくのは」(出典:薪能(1964)〈立原正秋〉六)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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