日本大百科全書(ニッポニカ) 「中標津」の意味・わかりやすい解説
中標津(町)
なかしべつ
北海道東部、根室(ねむろ)振興局管内の町。町名はアイヌ語シペッ(大きな川の意)に標津の字を当て、「中」を加えたもの。1946年(昭和21)標津村(現、標津町)から分村、1950年町制施行。国道272号が通じ、根室中標津空港から札幌(新千歳)、東京と連絡する。JR標津線は1989年(平成1)廃止、バスに転換した。知床(しれとこ)山地の南斜面と根釧(こんせん)台地の北部からなり、根室振興局管内の経済、文化の中心的機能をもつ。基幹産業は酪農で、農用地2万4600ヘクタールのうち牧草・採草地面積が90%以上を占める。年間牛乳生産量は約18万トンで(2015)、乳製品加工場がある。畑作物はサトウダイコン(テンサイ)、ジャガイモの根菜類が主で、町内にある北海道立根釧農業試験場では酪農の経営や品位に関する研究開発を行っている。知床山地山麓(さんろく)には養老牛温泉(ようろううしおんせん)と根釧台地を展望できる開陽台がある。面積684.87平方キロメートル、人口2万3010(2020)。
[進藤賢一]
『『中標津町五十年史』(1995・中標津町)』