丹前風(読み)タンゼンフウ

デジタル大辞泉 「丹前風」の意味・読み・例文・類語

たんぜん‐ふう【丹前風】

丹前姿」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「丹前風」の意味・読み・例文・類語

たんぜん‐ふう【丹前風】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 丹前姿の人特有の衣装髪型などの様式
    1. [初出の実例]「おのおのもたんぜん風とやらん勝山風とやらん云て、刀脇差さかやきまでも古へにちがひてせらるると見えたり」(出典:仮名草子・理非鑑(1664)下)
  3. 旗本奴(はたもとやっこ)町奴(まちやっこ)などの、丹前姿で六法(ろっぽう)を踏んで歩いた歩き方。また、そのふるまい。→丹前六法。〔書言字考節用集(1717)〕

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百科事典マイペディア 「丹前風」の意味・わかりやすい解説

丹前風【たんぜんふう】

丹前姿とも。江戸初期に遊冶郎侠客(きょうかく)の間に流行した伊達(だて)姿。江戸神田,松平丹後守上屋敷の前に町屋風呂(丹前風呂)があり,湯女(ゆな)の勝山は容色すぐれ髪を白い元結で片髷(まげ)の伊達風に結び人気を呼び,またここに通う旗本奴(やっこ),町奴などがさかやきをそらぬ立髪異装で六方を踏んで歩いたため丹前六方風といったといわれている。
→関連項目丹前

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「丹前風」の意味・わかりやすい解説

丹前風
たんぜんふう

江戸初期の道楽者や侠客(きょうかく)の間で流行した伊達(だて)姿などの風俗。17世紀なかばごろ、江戸神田(かんだ)の堀丹後守(たんごのかみ)の屋敷前の湯女風呂(ゆなぶろ)を、丹後守の前にあるところから丹前風呂とよび、ここに出入りする人々が、髪形広袖(ひろそで)の着物履き物、刀のさし方、歩き方など一種独特の伊達姿をしたので、これを丹前風とよぶようになり流行となった。歌舞伎(かぶき)や舞踊における「丹前」とは、この風俗を様式化、舞踊化したものである。

[山内まみ]

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世界大百科事典(旧版)内の丹前風の言及

【銭湯】より

…しかし昭和40年代半ばを過ぎると,内風呂の普及,都市生活の変化により銭湯そのものが減少する一方,ビル化でビルの中の一室を銭湯にする形が増加している。【玉井 哲雄】
[江戸の銭湯]
 近世初期,江戸では丹前(たんぜん)風呂の名が喧伝され,〈丹前風〉と呼ぶ風俗を生み出した。この銭湯は,現在の神田須田町付近,堀丹後守の邸前にあった何軒かの湯女(ゆな)風呂で,丹後殿前を略して〈丹前〉と呼んだ。…

※「丹前風」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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