中国古代に占星術から派生し,日本にも伝わって今日に至っている占い。九宮ともいう。九星とは,一白水星,二黒土星,三碧木星,四緑木星,五黄土星,六白金星,七赤金星,八白土星,九紫火星をいい,これらの星が九宮を移動することによって生じる運勢の変化にもとづいて方角の吉凶などを占う。この文献的初出は漢代の《易緯乾鑿度(えきいけんさくど)》とその鄭玄(じようげん)の注で,そこには太一神(北極星の神格化)が八卦に配当された宮殿を順次めぐってゆくもようが記されている(太一九宮の法)。唐代には,太一神をはじめとする九宮貴神の壇をもうけて大がかりな祭りを行い,また九宮貴神の巡行にもとづいて禍福を占った。
執筆者:三浦 国雄
日本では天体の星に関する祭儀や習俗は少ないが,星を示した護符が寺などから配られて屋内の目だたない場所にはられたり,神棚のほこらの背後に星守という護符がはられたりした地方もあった。九星による運勢判断は,昭和初年ごろには暗記していた老人もあったが,近年は関心も薄れ,九星による結婚相手との相性判断も衰微してきた。
九星術では,自分の生れ年の九星を本命星(ほんみようしよう)といい,本命星が在宮する方位をその人の〈本命(ほんめい)/(ほんみよう)〉,本命の反対の方角を〈的殺〉といって,ともに1年間は凶方とされる。また本命星が中宮にある年は,本人にとって本命も本命的殺もない。また五黄のある方角を〈五黄殺〉,その反対の方角を〈暗殺剣〉といって,ともに万人の大凶方とされている。しかし,五黄中宮の年は五黄殺も暗殺剣もない良い年とされる。本命は元来凶方であるにもかかわらず,競馬で1着になると予想される馬を本命馬というなど,吉方と誤解されてもいる。
執筆者:和田 正洲+飯島 吉晴
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古く中国から日本の陰陽道(おんみょうどう)に伝わり、方術の徒によって民間に広められた俗信。主として売卜者(ばいぼくしゃ)の間に行われ、高島暦などに記載されている。一白(いっぱく)、二黒(じこく)、三碧(さんぺき)、四緑(しろく)、五黄(ごおう)、六白(ろっぱく)、七赤(しちせき)、八白(はっぱく)、九紫(きゅうし)の九星を、木、火、土、金(ごん)、水の五行(ごぎょう)にあて、十干十二支(じっかんじゅうにし)に配して八卦(はっけ)に結び付けた九星図をつくり、方位や人の生まれ年にあてて、人間の運勢や方位の吉凶などを占う。また方位を八卦に配当して本宮を決める。たとえば一白は水星で北方を本宮、二黒は土星で西南を本宮、三碧は木星で東方を本宮などとするが、九星は毎年逆行して中央の星が移動交替する。ある人の星が中央の座にあたるとき、これを本命星といい、その年は八方的殺(てきさつ)(八方ふさがり)となり、星が南にあると北方を的殺として慎むべきだとする。ある星が中央の中宮にあるとき、他の隣接した星がかわって本宮を占めるものを暗剣殺方といい、大凶とするなどがある。
[井之口章次]
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