九曜(読み)くよう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

九曜
くよう

古代インド天文学における九個の天体の名。七曜に日月食を起す触星のラーフ星とケートゥ星の2つを加えたもの。インドの暦に立てる一種の暦象で,当日の吉凶の占いに使う。ヒンドゥー教では尊重されており,そのおのおのに該当する神像寺院に安置されている。

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世界大百科事典 第2版の解説

くよう【九曜 jiǔ yào】

日(太陽)と月(太陰)に,火(熒惑(けいわく)),水(辰星),木(歳星),金(太白),土(塡星・鎮星)の五惑星を合わせた七曜(耀とも書く)に,インド天文学における白道と黄道の交点にあたる昇交点の羅(らごう)Rahuと降交点の計都(けいと)Ketuの二つを合わせたものをいう(計都の方は月の近地点だとする解釈もある)。《書経》舜典などに見えるように,七曜はまた七政ともよばれ,両方の呼称が並び用いられたが,唐代の密教の経典《宿曜経》などには七曜が使用されている。

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大辞林 第三版の解説

くよう【九曜】

「九曜星」の略。
家紋の一。一個の円の周囲に八個の小円を配した紋。

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精選版 日本国語大辞典の解説

く‐よう ‥エウ【九曜】

〘名〙
① 日・月・火・水・木・金・土の七曜星に、羅睺(らご)星と計都(けいと)星を加えたもの。本来は、インドの天文学で九惑星として数えあげた名称で、日本には、密教の星辰信仰を介して知られるようになり、陰陽(おんよう)家が、人の生年月などに配当して運命を占った。九曜星(くようせい)。九曜の星。九星(きゅうせい)
※平家(13C前)二「無実の罪によって、遠流の重科をかうぶる事を、天道あはれみ給ひて、九曜のかたちを現じつつ、一行阿闍梨をまもり給ふ」
※わらんべ草(1660)一「先日光天子、月光菩薩、金輪(こんりん)星、二十八宿、九曜(くヤウ)、七星、十二星、南辰、北斗、本命星、当年星、其外諸神を勧請せしめ、其主をまもり給ふ也」
② 紋所の名。星紋の一種。①にかたどったもの。一つの大円のまわりを八つの小円が囲んでいる形。この類に、九曜、抜け九曜、陰の九曜、菱九曜、平形九曜、割九曜などがある。九曜紋。九曜星(くようぼし)。九曜の星。九星(くせい)
※わらんべ草(1660)一「割鷹の羽を違(たがへ)て、為紋、又九曜(くヨウ)をもする也」
③ 江戸時代、品川の遊里で、揚代一〇匁(もんめ)の遊女の位付(くらいづけ)としてつけた②のしるし。品川で最高位。転じて、品川遊里。九曜の星。
※洒落本・面美知之娌(1789‐1802頃)一「猟舟の篝(かかり)は正面の唐紙に似て七星九星(くヤウ)の形をあらはし」

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