二年生植物(読み)ニネンセイショクブツ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「二年生植物」の意味・わかりやすい解説

二年生植物
にねんせいしょくぶつ

発芽して開花、結実するまでの期間が、もっとも短くて2年かかる草本植物。一年生植物、多年生植物に対する用語であるが、他の二つの用語との区別はあまり明確ではない。一年生植物は地上部の成長に最大のエネルギーを使うが、二年生植物は初めロゼット葉のみをもち、地下部に光合成産物を蓄えておく。やがて植物が十分な大きさに成長すると抽薹(ちゅうだい)(とう立ち)を開始し、開花結実する。抽薹を開始するにはロゼットの大きさが一定のサイズに達していることが必要で、その植物の齢(れい)には無関係である。一年生植物は、二年生植物と同様、人為的攪乱(かくらん)などの多い立地に侵入する先駆性の種が多い。

[大澤雅彦]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「二年生植物」の意味・わかりやすい解説

二年生植物
にねんせいしょくぶつ
biennial plant

種子が発芽して越年し,花や果実をつけてその年のうちに枯死する植物。一年生,多年生に対する語。秋まき農作物のムギ,アブラナなどがその例である。同一種の草でも,秋にまけば二年生となり,春にまけば一年生のものもある。また何年も続く宿根草でも,園芸上,株を更新したほうがよいものは,一年生または二年生として扱うことも多い (アリッサム,ニオイアラセイトウなど) 。また,種子をまいてから満1年以上を経て初めて花が咲くもの (ジギタリスなど) を二年生と定義する立場もある。

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