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生活環 せいかつかんlife cycle

翻訳|life cycle

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

生活環
せいかつかん
life cycle

ある生物の生活史を,わかりやすく環状に表現したもの。また生活史そのものの記述をさす。生活環はその生物の世代変化,すなわち生殖細胞および器官,有性生殖器官,配偶子のでき方や接合減数分裂の起る順序,核相の変化などを示し,また外部環境との接触,特に他生物との関係なども明らかにする。

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デジタル大辞泉の解説

せいかつ‐かん〔セイクワツクワン〕【生活環】

life cycle》生物の、前の世代の生殖細胞から出発し、生活史のある段階で次の世代をつくるまでの一周期の過程。環状の図に表されるのでいう。ライフサイクル

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百科事典マイペディアの解説

生活環【せいかつかん】

生物個が発生を開始してから次世代の個体が発生を開始するまでのサイクル。減数分裂受精核相交代世代交代など,生殖に伴う現象の順序や時期を表現するのに都合がいい。
→関連項目酵母

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世界大百科事典 第2版の解説

せいかつかん【生活環 life cycle】

生物がその生涯の間にさまざまの変化を経ながら再びもとと同じ段階に戻ってくるまでの変遷のこと。もとと同じ段階に戻るまでに1世代(植物の場合には2世代以上のことも多い)を経て新しい世代になっている。植物では胞子が発芽して配偶体世代をつくり,そこで有性生殖がみられて核相が複相の接合子(受精卵)がつくられ,それが発芽,生長して胞子体となり,胞子囊内で減数分裂を行って胞子を生産するというのが一般的な生活環で,それが部分的に修正されたり,退化して欠落したり,あるいは別のものがつけ加わったりして多様な生活環の様式をつくっている。

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大辞林 第三版の解説

せいかつかん【生活環】

前の世代がつくる生殖細胞から出発して次の世代の生殖細胞までを結んだ生活史の表現法。核相交代・受精・変態などに注目して表現されることが多い。ライフ-サイクル。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

生活環
せいかつかん
life cycle

生物の個体が生殖細胞から出発して成長し、やがて生殖細胞を形成するまでの生活過程(生活史)は、さまざまな図式で示すことができるが、しばしば環状図式が使用され、これを生活環という。
 生活環には無性環と有性環とがある。無性環は生活史が無性生殖によって繰り返されるもので、生活環を通して核の染色体数(核相)は変化しない。これは有性生殖が知られていない生物(不完全菌類など)の生活環であり、また、有性生殖と無性生殖とを行う生物にあっては有性環に付随する生活環である。
 有性環は生活史が有性生殖によって繰り返されるもので、核相交代がある。つまり、減数分裂によって単相(半数の染色体、nで示す)となり、この細胞二つが細胞質癒合と核癒合とを続けて行うと複相(倍数、2n)となる(この細胞は接合子といわれる)。しかし、細胞質癒合が行われても、すぐには核癒合がおきない生物では、その間は単相核が二つ並んだ状態の重相(n+n)となる。いずれにしても、細胞質癒合と核癒合と減数分裂の三つが、いつ、どこでおこるかは、生物群ごとにそれぞれの遺伝情報によって決まっている。したがって、有性環には次のような基本型がみられることとなる。
(1)単相環 単相体が発達し、複相は接合子だけである。緑藻類のアオミドロは体細胞接合を行って生じた接合子から単相のアオミドロが成長する。紅藻類のウミゾウメンも単相環である。
(2)準単複相環 単相体(配偶体)が発達し、複相体(胞子体)は簡単な体制である。褐藻類のムチモでは、異型動配偶子が接合し、接合子から小さい葉状の胞子体ができ、胞子体が形成した真正胞子(n)から大きい樹状の配偶体が成長する。コケ植物における胞子体も小さい。
(3)単複相環 単相体、複相体は、ともに発達している。紅藻類のテングサでは、複相体と、真正胞子から生じた雌配偶体、雄配偶体は同型同大である。水生菌のカワリミズカビでは、雌雄同体の単相体と複相体は同型同大である。
(4)準複相環 単相体は小さく、複相体は大きい。植物類の代表的生活環である。コンブでは、微小な糸状で雌雄別の単相体に卵、精子を生じ、接合子(受精卵)から大きいコンブが成長する。被子植物では胚嚢(はいのう)と花粉管が単相である。
(5)複相環 複相体が発達し、単相は配偶子(または真正胞子)である。動物類の代表的な生活環である。褐藻類のホンダワラでは、雌雄別の複相体に動配偶子を生ずる。
(6)準単重相環 単相体が発達し、短期間の重相があり、複相は一時的である。子嚢菌類の多くは単相体の間で接合し、そこから生じた短い重相菌糸の先端部の子嚢母細胞が複相となり、すぐに真正胞子ができる。
(7)単重相環 単相体と重相体が発達し、複相は一時的である。発達した菌類の代表的生活環である。担子菌類の多くは単相体間で接合して重相菌糸体となるが、のちに子実体を形成してから担子器母細胞が複相となり、すぐに真正胞子ができる。
(8)準重相環 前の単重相環の単相の期間は条件によってさまざまである。単相の期間が短いと準重相環となる。
(9)重相環 単相と複相の期間が一時的であり、重相の期間の長い生活環をいう。クロボキン類では真正胞子が接合して重相菌糸体が成長し、のちに核癒合と減数分裂が行われて真正胞子ができる。
 このようにさまざまな生活環がみられるのは、生物が過去において、変化する環境条件に対処して進化し、新しい生活環をつくりだしてきたからである。この生活環の進化には、次のような二つの系列が認められる。一つは、複相期間がしだいに長くなる単複相環系列(単相環→準単複相環→単複相環→準複相環→複相環)であり、もう一つは、重相期間がしだいに長くなる単重相環系列(単相環→準単重相環→単重相環→準重相環→重相環)である。前者の系列は動植物で発達したものであり、後者の系列は菌類にみられるものである。[寺川博典]

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世界大百科事典内の生活環の言及

【シダ植物(羊歯植物)】より

…一般にシダ類といわれるものは真正シダ類fernで,シダ植物にはほかにマツバラン類psilotum,石松(せきしよう)類lycopod,トクサ類(有節類)horsetail(これらをひっくるめてfernalliesという)が含まれる。
[生活環]
 種子をつくらない維管束植物はすべて,生活史のうちに,独立の生活を営む胞子体の世代(ふつうにみられるシダの体)と配偶体の世代(前葉体)をもち,それらが交互に現れる規則正しい世代交代を行っている。胞子が発芽すると配偶体になるが,シダ植物のうちの多くのものでは,心臓形をしてせいぜいmm単位の大きさの前葉体と呼ばれる構造をもっている。…

※「生活環」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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