20世紀日本人名事典 「井上清」の解説
井上 清
イノウエ キヨシ
- 生年
- 大正2(1913)年12月19日
- 没年
- 平成13(2001)年11月23日
- 出生地
- 高知県南国市
- 学歴〔年〕
- 東京帝国大学文学部国史科〔昭和11年〕卒
- 主な受賞名〔年〕
- 毎日出版文化賞〔昭和24年〕「日本女性史」,中国社会科学院名誉博士号〔平成9年〕
- 経歴
- 文部省維新史料編纂嘱託、帝国学士院帝室制度史編纂嘱託などを歴任。戦後、昭和21年「天皇の歴史」で天皇批判を展開。25年日本学術会議会員、29年京都大学人文科学研究所助教授を経て、36年教授となる。52年退官、名誉教授。教科書問題や被差別部落問題などに積極的に関わり、31〜39年部落問題研究所評議員。また、38年の中ソ論争で共産党を批判、44年の東大闘争をはじめとする学園紛争では学生支援の立場を取り、政府と対立した。マルクス主義の立場から研究をすすめ、日本現代史研究を行う左翼文化人の代表的存在で、アジアとの連帯運動や反天皇制発言を展開した。尖閣諸島の帰属に関する歴史的研究の第一人者としても知られた。日中学術交流に尽力し、平成10年日本人初の北京大学名誉教授に就任。著書は「不屈のマルクス主義者河上肇」「日本の軍国主義」「天皇制」「明治維新〈日本現代史1〉」「日本女性史」「部落問題の研究」「日本の歴史」(上中下)「西郷隆盛」(上下)「天皇の戦争責任」など多数。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報