原子炉や加速器などを用いて,人工的に核反応を起こさせてつくった放射性核種から生じる放射能.1934年にJoliot-Curie夫妻が,ポロニウムから放射されるα線をアルミニウムに照射すると,27Al(α,n)30P反応によって放射性核種 30P が生成することを発見した.30P は陽電子を放出して 30Si になる.これが最初の人工放射能である.同じ年,E. Fermi(フェルミ)は中性子をいろいろな元素に照射して,多数の放射性核種をつくった.これらの業績により,Joliot-Curie夫妻にはノーベル化学賞(1935年),Fermiにはノーベル物理学賞(1938年)が贈られた.人工放射能は多様な分野の基礎研究に利用されている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…不安定な原子核が放射性崩壊をするときにα線,β線あるいはγ線を放出する性質を指すが,さらに広く,このような放射性の核種のことを意味することも多く,また,一般には物質が放射性の核種を含むときに,その物質は放射能をもつといういい方もされる。放射能はその成立ちから,自然に存在する天然放射能と人為的に作られた人工放射能に区分される。天然放射能の代表的なものは,ウラン系列,アクチニウム系列,そしてトリウム系列の放射性崩壊系列に属する鉛より重い元素で,α崩壊とβ崩壊を繰り返し,鉛の安定な同位元素まで達する。…
※「人工放射能」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新