石川達三の長編小説。1957年(昭和32)8月23日から59年4月12日にわたり『朝日新聞』連載。58~59年新潮社刊、全三冊。まじめな小学校教師尾崎ふみ子が、夫に背かれ、教師の職をも追われそうになって、しだいに教員組合の運動に目覚め、積極的な働き手となってゆく姿を粘り強く追い、その過程を通じ1954年前後の教育二法案成立と、それに対する現場教師たちの闘いを多角的に描いた雄編。教師聖職者観を否定し、教師も労働者にほかならぬという考えを最後的に打ち出している。「調べた芸術」の方法をフルに使い、教育問題をテーマにした作品としても戦後最大の小説。
[久保田正文]
『『人間の壁』全三冊(新潮文庫)』
梅雨の季節に入ること。つゆ入り。毎年6月中旬~7月中旬の約1ヵ月間,九州から東北地方は梅雨の季節に入る。これは,北方のオホーツク海高気圧と南方の小笠原高気圧とに挟まれて,揚子江流域から九州,四国,本州...