企業者(読み)きぎょうしゃ(英語表記)entrepreneur[フランス]

世界大百科事典 第2版の解説

きぎょうしゃ【企業者 entrepreneur[フランス]】

〈企業者〉は本来学術用語であり,日常語の〈企業家〉〈経営者〉〈ビジネスマン〉のいずれとも正確に対応しない。〈企業者〉概念を確立したのはシュンペーターであり,1912年刊行の《経済発展の理論》において,経済の動態的発展は〈企業者〉による〈革新(イノベーション)〉ないし〈新結合neue Kombination〉によって可能になると主張した。静態的循環を繰り返す経済が,新技術の発明や生産要素の新しい結合方法のような〈革新〉により,より高い均衡水準に向かって動態的発展の過程に入ると,その過程に利潤や利子が発生するというのである。

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世界大百科事典内の企業者の言及

【シュンペーター】より

…主著の一つである本書はその副題の示すとおり,〈資本主義過程の理論的・歴史的・統計的分析〉であり,彼の社会学的諸研究(《租税国家の危機》(1918),《帝国主義の社会学》(1918‐19),《社会階級論》(1927)など)は,すべてこの主題のため,もっぱら制度に関する分析用具を用意することにあった。彼によれば,〈発展〉は生産要素の新結合=革新(イノベーション)から生じ,革新の担い手として異常な努力に堪えうる少数の人物が〈企業者〉にほかならない。そして革新は旧来の経済軌道を変革破壊し,その攪乱作用が景気循環を生むが,それが再び均衡状態を回復するとき,新しい価値体系と大量の生産物を作り出す。…

【利潤】より

…準地代としての超過利潤は個々の生産資源よりむしろこの企業独自の生産組織に帰せられるべきものである。 このようなマーシャルの見解に対してシュンペーターとナイトは,超過利潤の発生を独特な企業者活動に求め,超過利潤は企業者職能に対する報酬であると考えた。シュンペーターのいう企業者とは,日常的な業務に従事する経営者でもなければ,資本の所有者としての資本家でもない。…

※「企業者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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