佐野川花妻(読み)さのがわ はなづま

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「佐野川花妻」の解説

佐野川花妻(4代) さのがわ-はなづま

?-? 江戸時代後期の歌舞伎役者
坂東(ばんどう)重太郎(初代坂東寿太郎)の門人若女方大坂から江戸へいき,文化9年(1812)森田座で4代を襲名。文政末ごろ3代中村歌右衛門の弟子となり,中村歌門を名のって上方舞台をつとめた。のち2代中村富十郎の門人となった。初名中山氏之助。前名は坂東花妻。俳名は利遊。

佐野川花妻(3代) さのがわ-はなづま

?-? 江戸時代中期の歌舞伎役者。
2代佐野川花妻の弟。色子(いろこ)から若女方となるが,3代嵐(あらし)三十郎の名をついで,立役(たちやく)に転じた。のち若女方にもどり,宝暦13年(1763)3代佐野川花妻を襲名,おもに大坂の舞台をつとめた。初名は佐野川惣吉(そうきち)。俳名は其源。屋号播磨屋

佐野川花妻(2代) さのがわ-はなづま

?-1762 江戸時代中期の歌舞伎役者。
若女方。初代の養子となり(実際は実子といわれる),元文4年2代を襲名,大坂中の芝居の座本となる。のち京都,江戸の舞台もつとめた。宝暦12年(一説に10年)死去。初名は富沢常世。前名は佐野川常世。俳名は如蝶。

佐野川花妻(初代) さのがわ-はなづま

?-? 江戸時代中期の歌舞伎役者。
藤川繁右衛門(しげえもん)の門下佐野川万菊同門元禄(げんろく)の末から若女方として大坂の舞台で活躍。元文4年(1739)引退。宝暦の中ごろ没したという。通称は佐七。俳名は素尋。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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