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何処へ どこへ

大辞林 第三版の解説

どこへ【何処へ】

小説。正宗白鳥作。1908年(明治41)「早稲田文学」に発表。周囲の期待に反して、人生に目標を見失い、倦怠の日々を送る青年を描く。明治末年の知的青年の姿を造形した。

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デジタル大辞泉の解説

どこへ【何処へ】

正宗白鳥の小説。初期の代表作で、雑誌記者の青年の虚無的な感覚を描く。明治41年(1908)、「早稲田文学」1~4月号に掲載。同名の作品集は同年10月に刊行。

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世界大百科事典 第2版の解説

どこへ【何処へ】

正宗白鳥の初期代表作。1908年(明治41)1~4月に《早稲田文学》に発表。独身の雑誌記者菅沼健次は,家名を尊重する〈家〉の重圧の下で,倦怠と孤独の日々を送っている。恩師の期待にこたえることもなく無為に過ごす彼には,どこにも人生の意義を見いだせない虚無感が深く,現状からの脱出を願いながら,どこへ逃げ出せばいいのか方角がわからない。二葉亭四迷が《浮雲》に造型した内海文三ツルゲーネフの《ルージン》に比較される余計者的存在が描かれたわけである。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

何処へ
どこへ

正宗白鳥(まさむねはくちょう)初期の代表的短編小説。1908年(明治41)1月から4月号の『早稲田(わせだ)文学』に掲載。主義にも読書にも酒や女にも、また己の才知にも酔えぬわが身を哀れに感じつつも、何処へ生きる方向を求めてよいかわからず、父や師の期待をよそに怠惰で倦怠(けんたい)な日々を送る27歳の雑誌記者菅沼(すがぬま)健次が主人公。この一作を機に批評家から、健次すなわち白鳥は「日本のナイヒリスト(ニヒリストの意)」であるとよばれ、以来その白鳥観は彼の死の年まで継承された。しかしこの呼称は健次のつねに「生命に満ちた生活」を希求し行動への憧(あこが)れを抱いている面があまりに看過されたところから生じたもので、以後の作品をもあわせ百パーセント適切とはいえない。[兵藤正之助]
『『正宗白鳥全集1』(1983・福武書店)』

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