侍中(読み)ジチュウ

デジタル大辞泉 「侍中」の意味・読み・例文・類語

じ‐ちゅう【侍中】

中国官名代には天子左右に侍して顧問に応ずる官。代以後は門下省長官
蔵人くろうど唐名

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精選版 日本国語大辞典 「侍中」の意味・読み・例文・類語

じ‐ちゅう【侍中】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「しちゅう」とも )
  2. 中国の官名。宮中で天子の側近に侍する役で、魏晉以降、枢機に参与し、宰相と同じ。唐・宋では、門下省の長官。
    1. [初出の実例]「曾て時を同じうして侍中を勤めてゐたこともある」(出典:李陵(1943)〈中島敦〉三)
    2. [その他の文献]〔漢書‐王莽伝〕
  3. 蔵人(くろうど)の唐名。
    1. [初出の実例]「侍中翁主挽歌詞。二首〈嵯峨天皇〉」(出典:文華秀麗集(818)中)
    2. 「列侍中以周旋、恩何不翅」(出典菅家文草(900頃)九・請罷蔵人頭状)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「侍中」の意味・わかりやすい解説

侍中
じちゅう
shi-zhong; shih-chung

中国の官名。漢代から始った本官の上に加えられた加官。宮中で天子の側近にあり,身辺雑用に奉仕した。魏,晋以後,政務の枢機に参与する重要な地位となり,唐代では宰相の任となったが,元代以降廃止。

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普及版 字通 「侍中」の読み・字形・画数・意味

【侍中】じちゆう

宮中の官。

字通「侍」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の侍中の言及

【宰相】より

… 魏・晋時代から丞相の名が復活し宰相として機能したが,後漢以来の,皇帝直属の秘書官室である尚書が政務遂行の中心になる傾向が推し進められ,それまでの三公が権力を失っていき,尚書の最高官の録尚書事が宰相の権力を掌握した。しかし録尚書事が強大な権力をもってくると,皇帝は尚書の先任官である尚書令,皇帝の側近に侍る官の門下侍中,皇帝の秘書官長である中書令らを重視するようになり,政治の実権はこれらの官に移った。これらの3官は秦・漢以来発展してきた尚書省,門下省,中書省に属するものであったから,唐代になると,尚書・門下・中書の3省の長官(尚書令・侍中・中書令)が宰相の職務を遂行した。…

※「侍中」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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