侘びる(読み)ワビル

デジタル大辞泉 「侘びる」の意味・読み・例文・類語

わ・びる【×侘びる】

[動バ上一][文]わ・ぶ[バ上二]
さびしく思う。心細がる。「独り暮らしを―・びる」
「人―・びて淋しき宵を」〈漱石虞美人草
「つれづれ―・ぶる人はいかなる心ならん」〈徒然・七五〉
落ちぶれてみすぼらしいさまになる。
「―・びた荒壁の塀の屋根の」〈谷崎蓼喰ふ虫
「古へはおごれりしかど―・びぬれば舎人とねりが衣も今は着つべし」〈拾遺・物名〉
さびしく落ち着いた趣がある。「―・びた鄙歌ひなうた
北野の大茶会では、同じように―・びた構えが」〈野上秀吉と利休〉
(動詞の連用形に付いて)なかなかある動作・行為をしきれなくて困る。そうする気力が失せる。…しかねる。「待ち―・びる」「恋い―・びる」
あれこれと思いわずらう。悲観して嘆く。思い悩む。
「山高み人もすさめぬ桜花いたくな―・びそ我見はやさむ」〈古今・春上〉
困ったようすをする。迷惑に思う。
「にはかにと、―・ぶれど、人も聞き入れず」〈帚木
閑寂な境地を楽しむ。「―・びてすめ月侘斎がなら茶歌/芭蕉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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