きゃん【侠】
〘名〙 (形動) (「きゃん」は「侠」の
唐宋音か)
① 勇みはだで粋
(いき)なこと。きおって粋なさま。また、そのような人。きおい肌。〔
随筆・喪志編(1749)〕
② 女らしさに欠け、はすっぱであること。また、そのさま。おてんばな女性。おきゃん。
※雑俳・川柳評万句合‐宝暦九(1759)梅「ゆるされりゃ
鳥居こしたときゃんを言」
[語誌](1)本来、男女のいずれに対しても用いられたが、後には、「
俚言集覧」に「江戸の
俗語。少女のはすはなるをいふ。多くは
声妓(げいしゃ)のものにあり」、また、「随筆・嬉遊笑覧‐九」に「今も男めける女子を
金平といひ、きゃんといふ。きゃんは侠なり」などとあるように、もっぱら女性に用いられるようになり、
近代に至る。
(2)明治以降は、「お」を冠した「おきゃん」という言い方が一般的となり、「きゃん」
単独ではあまり使われなくなる。
きょう ケフ【侠】
〘名〙 男らしい勇ましい行ないをすること。また、その
気質。おとこぎ。おとこだて。〔
史記‐游侠・郭解伝〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「侠」の意味・読み・例文・類語
きゃん【×侠】
[名・形動]《唐音》
1 「おきゃん」に同じ。
「お梅は―な声で」〈独歩・郊外〉
2 勇み肌でいきなさま。また、そのような人。
「―のおみさん、通のぬし」〈洒・軽井茶話〉
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