児童福祉司(読み)ジドウフクシシ

デジタル大辞泉 「児童福祉司」の意味・読み・例文・類語

じどうふくし‐し【児童福祉司】

児童福祉法に基づき、都道府県児童相談所に配属される専門職員。児童および妊産婦保護・保健などの福祉に関する事項について相談に応じ、必要な指導を行う。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

共同通信ニュース用語解説 「児童福祉司」の解説

児童福祉司

児童相談所で児童の面談保護者の指導に当たる専門職で、2017年4月時点で全国に3253人が配置されている。大学心理学教育学を学び、児相などで1年以上業務することなどが任用の要件とされている。厚生労働省は「児童相談所強化プラン」を16年4月に決定。19年度までに3480人まで増加させるとしていた。

更新日:

出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報

精選版 日本国語大辞典 「児童福祉司」の意味・読み・例文・類語

じどうふくし‐し【児童福祉司】

  1. 〘 名詞 〙 児童福祉法に基づいて、児童相談所に置かれているケース‐ワークの専門職。児童および妊産婦の保護、保健その他福祉関係の問題について相談に応じ、必要な指導を行なう。
    1. [初出の実例]「親に捨てられた子は、児童福祉司の方の係りだろうじゃないか」(出典:人間の壁(1957‐59)〈石川達三〉上)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「児童福祉司」の意味・わかりやすい解説

児童福祉司
じどうふくしし

児童福祉法(昭和22年法律第164号)に基づき、児童相談所に配置が義務づけられている専門職員。児童相談所の担当区域で、児童の保護・福祉に関し、保護者などからの相談に応じ、必要な調査、社会的診断などを行い、児童や家族を指導・援助する。厚生労働大臣の指定する養成施設を卒業した者、大学などで心理学や教育学、社会学を修めたのちに児童福祉の業務に1年以上従事した者、医師社会福祉士などから任用される。また、児童相談所運営指針によれば、おおむね児童福祉司5人につき1人は、10年程度の実務経験がある児童福祉司スーパーバイザー(教育・訓練・指導担当児童福祉司)が配置され、他の児童福祉司の管理や指導にあたることが規定されている。

 児童福祉司の配置はおおむね人口4万~7万人に1人を標準とする。2013年(平成25)4月時点で、全国の児童相談所207か所に児童福祉司2771人が配置されており、統計上は人口約4万7000人に1人の児童福祉司が割り当てられていることになる。しかし、実際には管轄人口3万人未満から7万人までさまざまで、地域による配置数には格差がある。児童福祉法や児童虐待防止法の改正などにより、児童福祉司の配置割合や職務権限は改善されつつあるが、ヨーロッパやアメリカのソーシャルワーカーの状況と比較すると、問題点は少なくない。たとえば、他国で1人のソーシャルワーカーが担当するケースワークは、通常20ケース程度であるが、日本の場合は100を超えることが珍しくない。国際子ども虐待防止学会(ISPCAN:International Society for Prevention of Child Abuse and Neglect)などは、日本のこのような状況が重大な問題であると指摘している。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の児童福祉司の言及

【児童相談所】より

…また3歳児健康診査について保健所と協力するなどの業務もある。専門的機能と行政的機能とを併せもつ児童福祉機関のため,職員も専門技術者を必要とし,所長はじめ児童福祉司や判定,相談,調査にあたる職員など専門家の配置が求められる。所長は精神衛生に関する学識経験を有する医師か,大学で心理学を専攻したものか,児童福祉司として2年以上の経験をもつもの等が任命され,判定を行う職員のうちにはこれと同資格のものが含まれていなければならない。…

【児童福祉】より


【児童福祉諸立法の枠組み】
 児童福祉の中核に児童福祉法がある。これは理念およびそれを具現するための国・公共団体の責務,および児童相談所をはじめとする行政機関と施設の機能を規定し,さらに児童福祉司などの専門ワーカーの役割を規定している。児童福祉の精神を宣言したものが児童憲章(1951年,内閣総理大臣の召集による児童憲章制定会議で制定)で,憲章は〈児童は人として尊ばれる,児童は社会の一員として重んぜられる,児童はよい環境の中で育てられる〉という憲法の精神に則した児童福祉の理念を明示した。…

※「児童福祉司」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android