職務権限(読み)しょくむけんげん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

通常は職務基礎として権限を考察するという考え方に基づき,そのような意味において「職務上の権限」という程度の内容を示す。そしてこのとき職務の範囲と程度とがその中心的内容となる。職務の範囲については,職務を規定することにより同時に明確化されるものであり,この意味で職務の規定は実はそのまま職務の範囲の規定にほかならない。ただし職務権限については職務自体の詳細な内容的規定よりも,むしろほかの職務との関係をふまえてその範囲を明らかにすることが重要である。すなわち職務自体の個別的な活動およびそれをいかなる方法で遂行すべきかということを明らかにすることより,職務の範囲を明確化することがより重要となる。組織管理という見地からは,「職務権限明細書」というものが作成され,上記目的のために利用される。

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デジタル大辞泉の解説

官公庁、大企業等で役職に応じて認められた権限。また特に、公務員が、その職務を執行する権限。「臨時職員採用の職務権限は各本部長にある」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

公務員等が、その職務上の地位に伴いなしうる活動の根拠または範囲。職務権限は、法令に定められていることが多いが、かならずしも法令に直接の規定があることを要しない。この職務権限に属する行為を職務行為という。刑法上、職務権限の有無が犯罪の成否を左右する場合がいくつかみられ、たとえば、職務行為は違法性阻却事由(違法性の認定が排除される特別な事情)の一つとされるが、公務員が職務権限を逸脱・濫用して違法行為を行えば汚職の罪(職権濫用罪、賄賂(わいろ)罪)にあたる。1976年(昭和51)のロッキード事件や88年のリクルート事件では総理大臣や政治家の職務権限が問題となった。[名和鐵郎]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 公務員などが、その職務上の地位に伴い有する権限。職権。
※郡制(明治三二年)(1899)四章「郡官吏郡吏員の職務権限及処務規程」

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