兜沼(読み)かぶとぬま

日本歴史地名大系 「兜沼」の解説

兜沼
かぶとぬま

豊富町北部のかみサロベツ原野北端にある沼。周囲約七キロ、面積一六〇ヘクタール、最大水深約一〇メートル。大正一三年(一九二四)六月に開通した天塩北てしおほく(現JR宗谷本線)には沼の北側に兜沼駅が置かれた。これは同駅のほうから沼を望むと兜の形に似ていることにより名付けられたもので、以後兜沼の名が定着した。沼の北・西側にはトドマツイチイ(オンコ)などが繁茂し、南東部は上サロベツ原野に連なる低位泥炭の湿地帯である。沼はサロベツ原野の北部低湿地にみられる海跡湖のひとつで、開拓当初は河川流入により周囲一二キロほどあったといわれるが、河川の流路切替工事や土地改良事業などによって周囲約七キロとなった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「兜沼」の意味・わかりやすい解説

兜沼
かぶとぬま

北海道北部,天塩平野北部にある沼。面積 1.87km2。周囲 12km。最大深度 3m。豊富町にある泥炭地に囲まれた兜形の海跡湖。コイフナワカサギなどが生息し,沼尻川および人工排水路によりサロベツ川排水湖岸には樹齢 1000年以上のオンコ (イチイ) の大木がある。利尻礼文サロベツ国立公園に含まれる。

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