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全人教育(読み)ぜんじんきょういく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

全人教育
ぜんじんきょういく

人間がもつ諸資質を,全面的かつ調和的に育成しようとする教育。その場合,何を基本的な資質とするかは時代により,文化によって異なり,その違いに応じて,全人教育の内容にも違いが生じる。

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大辞林 第三版の解説

ぜんじんきょういく【全人教育】

調和ある人格の形成をめざす教育。知育偏重の教育に対して、徳育・体育および情操教育を重んじるもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

全人教育
ぜんじんきょういく
education for the whole man

人間性を一面的な知識・技能にのみ偏らせることなく、全面的、調和的に発展させることを目的とする教育。[小笠原道雄]

発展

音楽、体育を重視した古代ギリシアの教育以来、身体と精神の全面的・調和的発展の教育思想はヨーロッパ教育思想の基調ともなっている。18世紀のペスタロッチにおける頭・手・心、つまり知的陶冶(とうや)、身体的陶冶、道徳宗教的陶冶の各領域を調和的に発展させるべきであるという主張は近世教育史上における典型であって、進化論から強い影響を受けた19世紀のスペンサーのような実証主義者も、知育・徳育・体育の各面にわたる全人の教育を説いている。
 20世紀に入ってからの全人教育の目標は、単に個人としての人間性の諸要素を全面的、調和的に発展させるというにとどまらず、社会生活における調和が重視され、ドイツの教育学者シュプランガーEduard Sprangerの文化教育学、同じくナトルプの社会的教育学にみられる主張がある。今日の全人教育は、一方で各人が専門的知識、技術をもつと同時に、社会生活において感性、徳性の調和を重視することが目ざされている。
 日本では大正年間以降、小原国芳(おばらくによし)によってこのことばが使用され(1921)、主張された。彼によれば「全人教育」とは完全人格、すなわち調和ある人格を意味し、教育の内容は人間文化のすべてを盛らねばならないとし、全人教育でなければならぬ、と主張された。[小笠原道雄]

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世界大百科事典内の全人教育の言及

【小原国芳】より

…29年には,東京町田に玉川学園を創設,33年以後は成城を離れてもっぱら玉川学園での教育経営に力を注ぎ,ここを国際的にも注目をあびるすぐれた総合学園とした。その教育理念は〈全人教育〉の名でよばれている。《小原国芳全集》全48巻(1950‐78),《小原国芳選集》全6巻(1980)などがある。…

※「全人教育」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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