略称公労協。1952年(昭和27)の公共企業体等労働関係法(公労法)の改正により同法の適用を受けた日本国有鉄道(国鉄)、日本専売公社(専売)、日本電信電話公社(電電)の旧三公社と、郵政省郵便事業、林野庁国有林野事業、大蔵省印刷事業、同造幣事業、通産省アルコール専売事業の旧五現業の関係労働組合が構成していた共闘組織。1953年8月の賃金改定闘争を契機に、同年10月28日に開かれた共同戦術会議において結成され、官公庁組合の中心的存在として統一闘争を指導し、順法闘争やストライキ権獲得闘争などを展開、高度成長期の春闘体制のなかで積極的な役割を果たしてきた。しかし、1980年代の行政改革により、1982年アルコール専売事業が新エネルギー総合開発機構に移管され、1985年日本電信電話公社と日本専売公社がそれぞれ日本電信電話株式会社(NTT)と日本たばこ産業株式会社(JT)になり、1987年国鉄が各地方別旅客鉄道株式会社等(JR各社)に分割民営化され、公営企業は残りの四現業のみとなった。これに伴い公労協も組織変更を余儀なくされ、1987年4月1日をもって、四現業関係労組とオブザーバー加盟の政府関係法人労働組合連合(政労連)を加えた新組織、国営企業等労働組合協議会に変更された。ただし、略称は旧称の公労協をそのまま踏襲している。なお、四現業のうち郵政・印刷・造幣の3事業は、2001年(平成13)1月総務省郵政事業庁、財務省印刷局、同造幣局の所管となり、2003年4月より郵政事業は日本郵政公社へ、印刷事業は独立行政法人国立印刷局、造幣事業は独立行政法人造幣局へ移された。さらに2007年10月日本郵政公社が民営化され、郵政事業は日本郵政グループが行うこととなった。
[編集部]
『高木郁朗著『春闘論 その分析・展開と課題』(1976・労働旬報社)』▽『氏原正治郎他編『現代の賃金3 産業別賃金の実態2 公労協・運輸・繊維・日雇』(1977・社会思想社)』▽『公共企業体等労働組合協議会編『公労協スト権奪還闘争史』(1978・イワキ出版)』▽『労働争議史研究会編『日本の労働争議 1945~80年』(1991・東京大学出版会)』
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…国営企業労働関係法(国労法)の適用下にある労働組合のうち,旧総評(1989年解散)に加盟する,全逓,全林野,全印刷,全造幣の4労組とオブザーバー加盟の政労連(政府関係法人労働組合連合)で結成している協議会。前身の公共企業体等労働組合協議会は1953年に結成され,公共企業体等労働関係法(公労法)が適用された,国労,全逓,全電通,全林野,動労,全専売,全印刷,全造幣,アル専の9組合が加わった。 公労協は1956年にはじまった春闘に参加し,60年の安保改定阻止闘争でも大衆動員の主力となり,6月4日,15日には統一ストの中心となった。…
※「公共企業体等労働組合協議会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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