八ヶ岳火山群(読み)やつがたけかざんぐん

最新 地学事典 「八ヶ岳火山群」の解説

やつがたけかざんぐん
八ヶ岳火山群

Yatsugatake volcanic group

フォッサマグナの中央部,長野・山梨両県にまたがる火山群。赤岳(標高2,899m)を最高峰として,北端蓼科山(2,530m)から南端の編笠山(2,524m)まで,北北西-南南東方向に約21kmにわたって連なり,活動様式と岩質の違いによって,ほぼ中央部に位置する夏沢峠(2,430m)を境に南・北八ヶ岳火山群に区分。活動時期は約0.5Ma以降。北八ヶ岳火山群の横岳は活火山基盤は西南日本外帯の堆積・火成岩類と,一部に新第三系。かつては,南・北火山群の区分に加え,形成史から新期(<0.27Ma)・古期(1Ma〜)に,配列から東・西列にそれぞれ二分できるとし,八ヶ岳火山列とも呼ばれたが,その後の研究により,八ヶ岳地域の火山活動は,北八ヶ岳地域で約1.2~0.8Maと約0.5Ma以降,南八ヶ岳地域で約0.5~0.1Maであることが明らかにされ,南八ヶ岳地域の1Ma頃の活動が否定された。0.8Ma以前の火山活動は,北八ヶ岳地域のみでみられること,その活動の噴出中心は北西─南東方向に配列し,約0.5Ma以降の南・北八ヶ岳火山群の噴出中心とは配列が異なることから,北八ヶ岳地域の約1.2~0.8Maの活動で生じた火山は八柱やばしら火山群と定義され,約0.5Ma以降の活動で生じた火山が八ヶ岳火山群と再定義された。南八ヶ岳の山容は,赤岳・阿弥陀岳などの急峻な成層火山群と編笠山などの溶岩丘,北八ヶ岳は横岳などの多数の溶岩丘群であるのに対し,八柱は扁平な成層火山群。北八ヶ岳横岳は,その大半が1万年以内に形成され,最新期の溶岩流(坪庭溶岩あるいは八丁平溶岩)は2,400-2,200年前ないし約900-700年前と考えられている。北八ヶ岳南端の天狗岳~稲子岳東半を崩壊源とする大月川岩屑なだれの発生時期は,887年8月22日の南海・東海地震あるいはそれに連動した糸魚川─静岡構造線南部に沿った活断層による地震が連動した可能性がある。崩壊源では東に開く馬蹄形カルデラ火山性砕裂凹地,山麓部に流れ山とそれらの凹地に松原湖群を形成した。岩屑なだれは千曲川を堰き止め,翌888年6月20日に堰止湖が決壊し,大洪水を引き起こした。参考文献西来邦章ほか(2007) 地質雑,Vol. 113: 193

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出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

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