インド仏教の術語。在家信者が一昼夜の間だけ守ると誓って受ける八つの戒律。すなわち、(1)生き物を殺さない、(2)他人のものを盗まない、(3)嘘(うそ)をつかない、(4)酒を飲まない、(5)性交をしない、(6)午後は食事をとらない、(7)花飾りや香料を身につけず、また歌舞音曲を見たり聞いたりしない、(8)地上に敷いた床にだけ寝て、高脚のりっぱなベッドを用いない、の八戒である。おもに原始仏教と部派仏教で行われた。一般に在家信者は1か月に6回、日の出とともにこの戒を受け、翌朝の日の出まで守った。それゆえ「一日戒(いちじつかい)」ともいう。在家信者のいわゆる「精進(しょうじん)日」であり、出家者に準じた修行である。
[加藤純章]
『平川彰著『原始仏教の研究』(1964・春秋社)』
…仏弟子となるためには必ず道徳の基準となる戒を受けなければならないが,戒には出家と在家,その他の相違によっていくつかの種類があり,それに応じて受戒の作法にも相違がある。在家の戒としては五戒や八斎戒(はつさいかい)があり,また出家の戒としては比丘や比丘尼の具足戒,沙弥(しやみ)や沙弥尼の十戒,式叉摩尼(しきしやまに)の六戒(これは十戒に含まれる)などがあるが,八斎戒が1日(1昼夜),式叉摩尼の六戒が2年に限られているのに対し,他は捨戒しない限り,一生涯保つべきものである。受戒作法のうち最も複雑なのはもちろん出家の具足戒で,これには戒和上(かいわじよう)と羯磨阿闍梨(こんまあじやり)と教授阿闍梨,それに7人の証人(〈三師七証〉。…
…ウパバサタと呼ばれる儀式は,その内容は異なるが,仏教以前からインドで行われていたもので,仏教はそれを換骨奪胎して採り入れたものといわれる。なお,在家の仏教信者(優婆塞(うばそく),優婆夷(うばい))が毎月8日,14日,15日,23日,29日,30日の六斎日(ろくさいにち)に八斎戒(はつさいかい)を比丘から受け,それをその日だけ守ることを布薩と称することもある。【岩松 浅夫】。…
※「八斎戒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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