八神社(読み)はちじんじや

日本歴史地名大系 「八神社」の解説

八神社
はちじんじや

[現在地名]左京区銀閣寺

慈照じしよう(銀閣寺)の北に位置し、もと山王十禅師さんのうじゆうぜんじと称した。天御中主あめのみなかぬし神・高皇産霊たかみむすび神・神皇産霊かんむすび神・足皇産霊たるむすび神・生皇産霊いくむすび神・御饌津みけつ神・大宮乃売おおみやのめ神・事代主ことしろぬし神の八神を祀り八神社とよばれる。当地にあった浄土寺の鎮守社であったが、文明一四年(一四八二)足利義政東山山荘を浄土寺境内に営み、浄土寺が京都相国しようこく寺の西に移建させられた後もここに残された。江戸時代の浄土寺じようどじ村の地主神で現在は毎年一〇月二四日が例祭だが、延宝九年(一六八一)九月二四日に黒川道祐は八神社の祭礼を見物して「東北歴覧之記」に「浄土寺村ニ到ル、折節今日此村ノ氏神、山王十禅師宮ノ祭トテ、賑々敷ミユ、此神輿一基、鉾五本、村中遊行、其レヨリ真如堂村旅所ノ社ニ到ル、竹ニテ御棚ヲカサリ、供物ヲ備フ、慈照寺ノ門前ニテ神輿ヲスヘ置ク、此所モ御棚ヲ設ク、神輿ノ上ニ鳳凰アリ、四角ノ角毎ニ燕ツクリテアリ、他ノ神輿ニナキコトニテ、珍敷ミユ」と記す。


神社
やくしじんじや

[現在地名]長野市浅川 北郷

北郷きたごう村の南方くすり山にある。鳳鸞洞薬師ぶらんどやくしという。同山東面の峻険な岩壁岩穴から木材を差し出し、その上に方二間の社殿を組み立て、構造の奇をもって知られている。祭神少彦名命で、祭日は五月八日・一一月八日である。「三代実録」の貞観五年(八六三)二月一四日条に「信濃国従五位下宇達神・妻科神・八櫛神等授従五位上」と記すところの八櫛神であると伝え、石窟内に仏体ではない石像を安置している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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