精選版 日本国語大辞典 「公所」の意味・読み・例文・類語
おおやけ‐どころ おほやけ‥【公所】
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…中国で同郷人または同業商工業者のグループが,北京はじめ異郷の都市において,相互の親睦,経済活動,訴訟,宿泊,貧者救済,死者の葬送などの目的で建てた建物。公所ともよばれる。会館という名称が生まれたのは明代で,明末から清代に発達したが,唐・宋時代,首都に設けられた地方出身の官吏・学生・商人らの集会所,宿泊所がその前身であろうといわれる。…
…また施設の人員としては得度前の童行(どうぎよう)が多く加わっていた。 明・清時代になると制度的には官営救貧施設はますます整備,細密化するが,全国に広く置かれるようになった会館,公所など同郷地縁団体を軸とする救済機関のほうが現実には有効な機能を果たし,これまた著しく多様化した。これらはすべて鎮,県以上の都市の貧民救済を目的とし,農村を中心とした常平倉,社倉や,災害時の臨時的な救済とは制度を異にしている。…
…行役は1073年(熙寧6)に免行銭として銭納化されたが,政府と行の関係は南宋時代も続いている。明・清時代になると,商人たちは都市に公所と呼ばれるギルド・ホールを持つことが一般化する。そこでは董事(とうじ)を頂点とした組織や規約が作られ,商人たちは一般的にそれを厳守した。…
…だから,この時期にあっては,行とは同業組合を意味するとともに,特定の商業を指す用語でもあった。明末から清代にかけて,全国各地の都市には会館または公所と名づけられる建物が建てられたが,これには同郷の人々が協力して建てたものと,同業の商人が設けたものとがあった。後者は業種を同じくする商人の団体,つまり行が集会所として建てたもので,ヨーロッパ中世のギルド・ホールに類した建物であった。…
※「公所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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