精選版 日本国語大辞典「兼備」の解説
かね‐そな・える ‥そなへる【兼備】
〘他ア下一(ハ下一)〙 かねそな・ふ 〘他ハ下二〙 二つ以上の性質や要素を同時に持ち合わせる。兼備(けんび)する。
※四河入海(17C前)一七「是様に詩人と云ものは、昔から困窮するぞ。其の困窮したる味をば尽く此子玉どのは嘗(なめ)て遍く兼具ぞ」
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉巻外「文明の頭脳に野蛮の元気を兼備ふるが、今日の急務である事」
けん‐び【兼備】
※太平記(14C後)二「昔天竺の波羅奈国に戒・定・慧の三学を兼備(ケンヒ)し給へる一人の沙門をはしけり」
※浄瑠璃・平仮名盛衰記(1739)三「智仁兼備(ケンビ)の力には及びもない事相手になられず」 〔史記‐礼書〕
かね‐そなわ・る ‥そなはる【兼備】
〘自ラ五(四)〙 二つ以上の性質や要素が同時に存在する。兼備(けんび)する。〔文明本節用集(室町中)〕
※当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉八「山媚水明(さんすいのけしき)かねそなはり、且(かつ)納涼に便利(たより)よきは」
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