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向性検査 こうせいけんさextroversion-introversion test

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

向性検査
こうせいけんさ
extroversion-introversion test

性格の類型として C.G.ユングが考案した外向性内向性を測定する検査。ユングの分析的心理学では,人間の精神的エネルギー (リビドー ) が外界に向いやすい傾向と内面に向いやすい傾向とに区別され,そのいずれが強いかにより,それぞれ外向型内向型の性格に分けられる。向性の検査には主として L.L.サーストンによる方法などがあり,検査の多くは質問紙法の形をとる。

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デジタル大辞泉の解説

こうせい‐けんさ〔カウセイ‐〕【向性検査】

人間の性格が、内向性か外向性かを調べる検査。

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世界大百科事典 第2版の解説

こうせいけんさ【向性検査 version test】

精神医学者ユングの内向性・外向性の性格類型に発想の基礎をおいた人格検査の一つで,アメリカのレアードD.A.Laird,サーストンL.L.Thurstoneらにより向性を簡単に調べるものとして発表された。日本では1932年に淡路円治郎岡部弥太郎が50項目の質問に,はい,いいえの二件法で答える向性検査を作成し,次の式による向性点を算出した。今日では,内向性・外向性のみならず,他の人格特性をも扱った人格特性項目表が用いられている。

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大辞林 第三版の解説

こうせいけんさ【向性検査】

〘心〙 外向性・内向性の程度を判定するための、質問形式による性格検査。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

向性検査
こうせいけんさ
version test

向性を調べる検査のこと。スイスの精神科医のユングは心的エネルギーであるリビドーlibidoが、客体に向かって作用しているか、主体に向かって作用しているか、ということによって人格を類型化し、前者を外向性extroversion、後者を内向性introversionと分けた。[木村 裕]

リビドーの作用と性格

精神分析学の創始者であるフロイトは、リビドーを本質的には「性欲」と考えたが、弟子のアドラーは、「力への意志」をリビドーの本質と考えた。両者の主張は他の点でも相いれない葛藤(かっとう)を生じたが、一時期フロイトと密接な親交をもったユングは、リビドーを広く心的エネルギーとして理解することにより両者の主張は両立すると考えた。すなわち、性欲によって行動する人は、興味や関心や注意が愛の対象に向かって働いており、力への意志によって行動する人は、興味や関心や注意が自分自身に向かって働いていると考えた。前者はリビドーが客体に向かう場合であり、この傾向を外向性とし、後者はリビドーが主体に向かう場合であり、この傾向を内向性としたのである。
 ユングは意識の面で外向的な人は無意識の世界では内向的であると考え、互いに補償的な関係にあるとした。したがって、ある人が外向型extrovertの人か内向型introvertの人かを判断するには、その人の意識の層や生活の場面を考慮する必要がある。またユングは、精神の活動形式として、思考、感情、直観、感覚の四つの基本的機能をあげ、これに外向、内向を加えて、思考―感情、直観―感覚、外向―内向、の三つの軸によって、八つの人格類型を考えることができるとした。つまり、(1)内向的思考型、(2)内向的感情型、(3)内向的直観型、(4)内向的感覚型、(5)外向的思考型、(6)外向的感情型、(7)外向的直観型、(8)外向的感覚型である。[木村 裕]

向性検査法

ユングの考え方を基礎にして、ある人の人格をおもに外向性か内向性かという類型で把握するためにつくられた質問紙法の検査が、向性検査である。外国ではアメリカの心理学者サーストンやレアードDonald Anderson Laird(1897―1969)らによって外向性・内向性検査がつくられたが、日本では代表的なものに、心理学者の淡路(あわじ)円治郎(1895―1979)、教育学者の岡部弥太郎(やたろう)(1894―1967)が向性検査として標準化し、1933年(昭和8)に『心理学研究』に発表したものがあり、一般に淡路向性検査とよばれている。
 淡路向性検査は、「ささいなことでも気に病みますか」「話し好きですか」というような質問に対して、「はい」、「いいえ」、無応答、の3種の答え方で答えるようになっていて、50問からなっている。自己診断用の検査であるが、他者の観察にも用いることができるとされている。50問は、25問ずつが、個人的内向性と社会的内向性とを問う項目となっており、外向性の得点を数えることにより採点し、(1)によって得られる向性指数VQ(version quotient)によって向性を知るようになっている。
 向性指数は、100より大きければ、それだけ外向性の傾向が強いということを意味しており、100より小さければ、それだけ内向性の傾向が強い、ということを意味している。しかし、向性は発達の程度によって、個人内でも変動するものである。そのため、必要なら所属する年齢層の標準と比較して解釈するための、相対向性指数を求めることができるが、田中寛一による田中向性検査では、この点をさらに改良して、(2)によって得られる向性偏差値によって、相対的な位置づけを行う。[木村 裕]

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