デジタル大辞泉 「凪」の意味・読み・例文・類語

なぎ【×凪/和ぎ】

風がやんで、波がなくなり、海面が静まること。朝凪夕凪。「べた―」⇔時化しけ
[補説]「凪」は国字
[類語]朝凪夕凪凪ぐ

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普及版 字通 「凪」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 6画

[字訓] なぎ

[字形] 国字
風の省形+止。海面に波たたず、おだやかな状態にあることをいう。朝凪・夕凪のように用いる。「和(な)ぐ」の名詞形。〔万葉〕には「夕」のようにしるしており、凪という字は〔文明本節用集〕などに至ってみえる。凩(こがらし)・凧(たこ)なども、みな同じ造字法で、風の省文に従う。卜文では風はもと鵬の飛ぶ形に作り、音符として(凡)(はん)を加え、それがのち風の字となった。

[訓義]
1. なぎ、なぐ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「凪」の意味・わかりやすい解説


なぎ

風が一時的に吹きやんだ状態をいう。この状態が現れるのは主として次の二つの場合である。(1)気流の方向が、その中にある渦(うず)乱流の方向と一致すると、風速は相加わって一時的に突風になるが、これと反対に気流の方向が渦乱流の方向と打ち消し合うと、風速を減じ、場合によっては一時風が吹きやむ。英語ではこの場合をラルlullという。(2)海岸近くでは、日中は海から内陸部に吹き込んでくる海風が、夜間は反対に内陸部から海の方に向かって流れる陸風が吹く。また山間部では、日中は谷の奥に平野部から吹き込んでいく谷風が、夜間は谷間から平野に向け流れ出す山風が吹く。これら二対の風は朝晩に交替期があるが、そのときには一時風がやみ、凪となる。これが朝凪、夕凪とよばれる現象である。日本では瀬戸内方面の夏の凪が蒸し暑いので有名である。

根本順吉

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パラグライダー用語辞典 「凪」の解説

海風から陸風に、また陸風から海風に変わるとき風がなくなり、これを「なぎ」と呼ぶ。通常、朝と晩に発生する。「なぎ」は山風・谷風の場合でも発生する。

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