デジタル大辞泉 「出で立つ」の意味・読み・例文・類語 いで‐た・つ【▽出で立つ】 [動タ五(四)]1 旅などに出発する。出て行く。「旅芸人たちが―・つらしい物音が聞こえて来た」〈康成・伊豆の踊子〉2 衣装などを身にまとう。身支度をする。「道化役者、魔法つかいなどに―・ちたる男」〈鴎外訳・即興詩人〉3 ある場所に出ていって立つ。「朝あしたには庭に―・ち」〈万・一六二九〉4 現れ出る。出る。「心のうちに催さるる涙、ともすれば―・つを」〈源・浮舟〉5 出仕する。「宮仕へに―・ちて」〈源・帚木〉6 頭角を現す。出世する。「この道より―・ち給へる上達部」〈源・少女〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「出で立つ」の意味・読み・例文・類語 いで‐た・つ【出立】 〘 自動詞 タ行四段活用 〙① ある場所に出て立つ。[初出の実例]「おしてるや 難波の崎よ 伊伝多知(イデタチ)て わが国見れば」(出典:古事記(712)下・歌謡)② 外に現われる。出る。出てくる。[初出の実例]「女は、かき集めたる心のうちに催さるる涙、ともすればいでたつを慰めかね給ひつつ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)浮舟)③ 出発する。旅立つ。[初出の実例]「今日よりは顧みなくて大君の醜(しこ)の御楯と伊埿多都(イデタツ)我は」(出典:万葉集(8C後)二〇・四三七三)④ 宮仕えに出る。出仕する。[初出の実例]「宮仕へにいでたちて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)⑤ 立身出世する。[初出の実例]「此が出立(いでたち)なば、主計・主税の頭・助にも大夫の史にも、異人は更に可競き様无(なき)なめり」(出典:今昔物語集(1120頃か)二四)⑥ 整った姿をする。身じたくする。晴れの装束をつける。扮装する。[初出の実例]「馬、鞍、〈略〉刀にいたるまで、照り輝く程にいでたたれたりしかば」(出典:平家物語(13C前)五)⑦ 山などがそびえ立つ。[初出の実例]「こちごちの 国のみ中ゆ 出立有(いでたてる) 富士(ふじ)の高嶺は」(出典:万葉集(8C後)三・三一九) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例