デジタル大辞泉 「出車」の意味・読み・例文・類語 いだし‐ぐるま【▽出車】 盛儀の出行の際の装飾として、出衣いだしぎぬを施した牛車ぎっしゃ。また、随行の女房の装束の裾を出衣とした牛車。「八省に立て続けたる―どもの袖口、色あひも、目馴れぬさまに」〈源・賢木〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「出車」の意味・読み・例文・類語 しゅっ‐しゃ【出車】 〘 名詞 〙① 出衣(いだしぎぬ)の装飾を施して用いる牛車。いだしぐるま。[初出の実例]「既に御入内の日になりしかば、父のおとど、供奉(ぐぶ)のかんだちめ、出車(シュッシャ)の儀式など心ことにだしたてまいらせ給けり」(出典:高野本平家(13C前)一)② 車を出すこと。発車。[初出の実例]「紅霞流るる処人鞍馬を繋ぎ、翠靄抹する辺客出車を待つ」(出典:東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉三) いだし‐ぐるま【出車】 〘 名詞 〙 盛儀の際、出衣(いだしぎぬ)の装飾を施して用いる牛車。また、随行の女房が装束の裾を出衣とした牛車。女はこれによって自身を外部に誇示し、御簾をはさんで男女の交歓が艷麗に示された。[初出の実例]「人の参るやうにていだしぐるまにて夜々(よるよる)必ず」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲上)「八省に立て続けたるいだし車どもの、袖口、色あひも目馴れぬさまに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)賢木) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例