出車(読み)イダシグルマ

デジタル大辞泉 「出車」の意味・読み・例文・類語

いだし‐ぐるま【出車】

盛儀出行の際の装飾として、出衣いだしぎぬを施した牛車ぎっしゃ。また、随行女房装束の裾を出衣とした牛車
八省に立て続けたる―どもの袖口、色あひも、目馴れぬさまに」〈賢木

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精選版 日本国語大辞典 「出車」の意味・読み・例文・類語

しゅっ‐しゃ【出車】

〘名〙
① 出衣(いだしぎぬ)の装飾を施して用いる牛車。いだしぐるま。
※高野本平家(13C前)一「既に御入内の日になりしかば、父のおとど、供奉(ぐぶ)のかんだちめ、出車(シュッシャ)儀式など心ことにだしたてまいらせ給けり」
② 車を出すこと。発車
東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉三「紅霞流るる処人鞍馬を繋ぎ、翠靄抹する辺客出車を待つ」

いだし‐ぐるま【出車】

〘名〙 盛儀の際、出衣(いだしぎぬ)の装飾を施して用いる牛車。また、随行の女房が装束の裾を出衣とした牛車。女はこれによって自身外部に誇示し、御簾をはさんで男女交歓艷麗に示された。
※宇津保(970‐999頃)国譲上「人の参るやうにていだしぐるまにて夜々(よるよる)必ず」
源氏(1001‐14頃)賢木「八省に立て続けたるいだし車どもの、袖口、色あひも目馴れぬさまに」

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普及版 字通 「出車」の読み・字形・画数・意味

【出車】しゆつしや

出征

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