デジタル大辞泉 「小刀」の意味・読み・例文・類語
しょう‐とう〔セウタウ〕【小刀】
[類語]脇差・小太刀・刀・
刃物の一種。小刀は、一般の家庭でも使われる切出(きりだし)小刀と平刀(へいとう)、頭刀(とうとう)、三角刀、生反(なまぞり)、刳(くり)小刀とがあり、どのような加工をするかによって、形、刃角度など、形の違ったものがつくられ広い用途に用いられる。
切出小刀は、削って曲面を出したり、切り落としたりとさまざまなことに使われ、木の柄(え)をつけたものと共柄(ともえ)という刃物そのままの形がある。切出小刀は、背に対する切刃の角度が25度前後で、右使い、左使い、両刃などがある。刳小刀は、切出小刀に比べて細長い刀身と長い切刃をもち、刃先が鋭く、針の先のようにとがって二等辺三角形になっている。背に対する切刃の角度は10~15度ぐらいで、絵様板の輪郭や曲面、曲線、鉋(かんな)やのみで削れない細部の加工に用いられ、右使い、左使い、両刃などがある。
形は切出小刀に似ているが、先が鈍角にできている線引き用の刃物で白罫引(しらけびき)(白書(しらがき))というものもある。
[赤尾建蔵 2021年7月16日]
…〈たち〉は〈断ち〉の意味という。大刀,横刀は記紀の用字であって,小刀,刀子と書く〈かたな〉と対比して用いた。《日本書紀》天智天皇3年(664)2月条に〈大氏の氏上には大刀(たち)を賜う。…
…現在の用語でいえば〈こがたな〉であり,〈ナイフ〉である。《日本書紀》垂仁紀には〈刀子〉とも〈小刀〉とも混用しているのを,どちらも〈かたな〉と読んでいる。大刀(たち)にたいして小刀(かたな)と書いたもので,古くは〈こがたな〉とは読まなかった。…
※「小刀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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