分一(読み)ブイチ

デジタル大辞泉の解説

ぶ‐いち【分一】

江戸時代、商業・漁業・山林などの生産高・売上高から何分の一かを税として徴収したもの。
江戸時代海難で沈んだ荷物を引き上げた者に、荷主がその10分の1を報酬とした制度。

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百科事典マイペディアの解説

分一【ぶいち】

江戸時代に課された雑税一種商業漁業山林業などに従事する者を対象とし,売上高・収穫高に応じてその何分の一かを徴収した。課税対象の品目はさまざまで,課税率も一定ではなかった。納入は原則として貨幣により行われた(分一金・分一銀)。主なものに市売分一・鰯分一鯨分一・請山分一・魚分一・木地分一・楮分一などがある。またこれとは別に幕府が特定の河川の要所に番所(分一番所)を設置し,通過する船舶の積荷の品目に応じ,その価格の何分の一かにあたる金額を徴収した税も分一と称した。さらに難破船の救助にあたった報酬として,その積荷の何分の一かが荷主から渡されることも分一と称された。支払いは初め現物・金銭の双方で行われたが,18世紀後半以降は金銭に一本化された。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぶいち【分一】

江戸時代における雑税の一種。その内容は,(1)商業,漁業,山林業などに従事する者からその売上高,収穫高の何分の1かを徴収するもの,(2)幕府が特定の河川に沿って分一番所を設け,通行荷物から何分の1かの分一銭を徴収するもの,がある。(1)については,江戸時代の田制税制についての代表的な手引書である《地方凡例録(じかたはんれいろく)》によると,鰯分一,鯨分一,市売分一,請山分一などの例が紹介されている。

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大辞林 第三版の解説

ぶいち【分一】

江戸時代の雑税の一種。商業・運送・狩猟・林産などに従事する者から、その売上高・収穫高の何分の一かを徴収したもの。

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精選版 日本国語大辞典の解説

ぶん‐いち【分一】

〘名〙 十分の一。一分。また、その割合の金額。ぶんいつ。
※冷泉町記録‐天正一三年(1585)正月「家のかいてより分一出べき事」

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世界大百科事典内の分一の言及

【運上】より

… 市場運上馬市,肴市,絹市などに課すもので,町数によって異なり,市の繁盛いかんにかかわらず一定額を年ごとに納めた。 小漁運上クジラ,イワシは大漁として分一を課し,そのほかのカツオ,サケ,コイ,フナなどは小漁として運上を課した。 簗(やな)運上川魚を捕る簗に対して課すもの。…

※「分一」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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