何分(読み)ナニブン

デジタル大辞泉の解説

なに‐ぶん【何分】

[名]
はっきりしない内容を漠然と表す。なんらか。「いずれ何分の沙汰があるだろう」
あまり多くない数量を漠然と表す。いくらか。なにがし。「何分の御寄付をお願いいたします」
[副]
適切な処置を依頼するときに用いる。どうぞ。何とぞ。「何分よろしくお願いします」
どんな事情よりも優先する事柄を述べて、弁解などをするときに用いる。何しろ。何せ。「何分この天気ですので、船は出せません」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

なにぶん【何分】

( 副 )
相手に対して強く願い望む気持ちを表す。どうか。なにとぞ。 「 -(とも)よろしくお願いします」
(下に理由を示す語句を伴って)理由を強調して、その事態に対する格別の理解を相手に求める気持ちを表す。なんといっても。 「 -まだ不慣れで、失礼も多いかと存じます」
( 名 )
いくらか。若干。 「 -の御寄付をお願いいたします」
なんらか。なにか。 「 -の沙汰あるまで待て」
[句項目] 何分にも

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

なに‐ぶん【何分】

[1] 〘副〙
① 事態の雑多なさまを表わす。いろいろと。さまざまに。なんとも。
※浮世草子・好色五人女(1686)二「分御やっかいに成まして」
② これと断定はできないが漠然と、あるいは、あえてぼかしながら、自らの判断を述べるときに用いる。どうやら。どうも。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四「其スウススウとすすり込む音が何分気障(きざ)だ」
③ 他のことよりも優先する事柄、いかんともしがたい事情を述べて、弁解などをするときに用いる。何しろ。何せ。
※椿椿山宛渡辺崋山書簡‐天保一一年(1840)一一月三日「何分学浅識隘候間、棟撓み可申存候」
④ 相手の判断・裁量にまかせて依頼・懇する気持を表わす。どうかしかるべく。なにとぞ。
※歌舞伎・お染久松色読販(1813)序幕「何分売払ってくれろとの頼み」
[2] 〘名〙 (「なにぶんの」の形で)
① 特定しない事柄を漠然と示す。なんらか。「なにぶんの指示があろう」
② わずかな数量を漠然と示す。なにがし。「なにぶんの寄付をする」

なん‐ぶん【何分】

〘副〙 「なにぶん(何分)」の変化した語。
※梅津政景日記‐慶長一七年(1612)八月二六日「作右衛門お中を分度と申候て、尤なんふんにもと申候間」

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