コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

分別結晶 ぶんべつけっしょうfractional crystallization

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

分別結晶
ぶんべつけっしょう
fractional crystallization

溶解度のわずかに異なる2成分以上の溶質を,繰返し再結晶法を使って分離する方法。A,Bなる2成分の混合物溶液を蒸発などにより一部結晶にすると,結晶は溶解度の低いAを溶液より多く含む。この結晶を取出し,再度溶解し,同じ方法で結晶と溶液を得る。一方,残りの溶液もさらに蒸発させ結晶と溶液に分離する。この結晶を前に得られた溶液に混ぜると,AとBの成分比が異なる3つの結晶あるいは溶液が得られる。これについて前と同じ方法を繰返せば,AとBとを分離することができる。この方法は希土類元素化合物の混合物などの分離に用いられる。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

デジタル大辞泉の解説

ぶんべつ‐けっしょう〔‐ケツシヤウ〕【分別結晶】

混合溶液から、各溶質の溶解度の差を利用して析出・溶解を繰り返し、各成分を結晶化して分離・精製する方法。分別晶出

出典|小学館デジタル大辞泉について | 情報 凡例

百科事典マイペディアの解説

分別結晶【ぶんべつけっしょう】

分別晶出とも。再結晶を系統的に繰り返して固相液相との間に新しい分配を作り,溶解度差の小さい物質を分離する精製法。通常の化学的方法では分離しがたい塩類(希土類元素の塩など)の分離に利用される。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて | 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ぶんべつけっしょう【分別結晶 fractional crystallization】

再結晶を系統的にくり返して固相と液相との間に新しい分配を成立させ,溶解度差の小さい物質を分離する精製法。ふつう図に示すような方法で,原料物質の溶液をほぼ等量ずつの溶質(ないし液底体)を含む部分に分ける操作をくり返す。図でSは固相,Lは液相を,0,1,2,3,……は分別結晶の各段階における各相を示す。1/2,1/3などの数値は各段階で両相に分配されるべき溶質の割合,太い黒矢印は新たに溶媒を添加,破線矢印は飽和溶液を固相から分離,白矢印は飽和溶液から固相を分離,→は液相を区分することを示す。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

大辞林 第三版の解説

ぶんべつけっしょう【分別結晶】

二成分以上の性質の類似した溶質を含む溶液から、わずかな溶解度の差を利用して各成分を分離精製する操作。混合溶液を濃縮あるいは冷却して析出した結晶を分離し、これを再び溶媒に溶解させた溶液と、残りの母液のそれぞれについて同じ操作を繰り返し行う。

出典|三省堂大辞林 第三版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

分別結晶
ぶんべつけっしょう
fractional crystallization

溶解度がわずかに異なる溶質を段階的に結晶化して分離する方法。混合溶液から最初に析出する結晶は、より難溶性の成分が相対的に濃縮され、母液にはより易溶性の成分が相対的に濃縮される原理による。時間と手間のかかる操作のため、他の分離法が発達した現在ではあまり利用されないが、歴史的にはプロメチウムを除くすべてのランタノイドがこの方法で分離されている。
 多成分系混合溶液の温度・圧力の変化に応じて平衡定数が変化し、溶解度が小さくなった物質から順次結晶化が進行する過程をいうこともあり、マグマから岩石が生成する過程がこれに相当する。[岩本振武]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

世界大百科事典内の分別結晶の言及

【結晶分化作用】より

…この場合,マグマから晶出した結晶がマグマと化学反応を起こすと,その反応の程度や時期によって,結晶の組成もマグマの組成もいろいろに変化する。これを分別結晶作用fractional crystallizationと呼んでいる。ボーエンは,マグマというものは結晶作用の際に結晶と液との間に種々の反応関係を示す反応系であると考え,晶出する結晶と残液との間に種々の程度に分別が起こり,そのために反応の進行の程度に違いを生じ,このことがマグマの分化作用の最も本質的に重要な原因であると主張して,これを反応原理と呼んだ。…

※「分別結晶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

分別結晶の関連キーワードキュリー(Marie Curie)ソレアイト質型花崗岩塩化マグネシウム岩石生成の残液系硫酸マグネシウム同化分別結晶作用臭素酸カリウムG. ユルバン二重拡散対流花崗岩化作用ウェルスバハプラセオジムリシノール酸塩化カリウム不適合元素リノール酸過酸化水素リノレン酸タンタルラジウム

今日のキーワード

優曇華

《〈梵〉udumbaraの音写「優曇波羅」の略。霊瑞、希有と訳す》1㋐インドの想像上の植物。三千年に一度その花の咲くときは転輪聖王が出現するという。㋑きわめてまれなことのたとえ。2 クサカゲロウ類が産...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android