インド・ヨーロッパ語族に属する諸言語にみられる動詞活用形の一種。不定詞と同じく、非定形(non-finite form)の一種をなす。動詞と形容詞の働きを分有する(participate)ので分詞(participle)とよばれる。ラテン語では、能動態現在・能動態未来・受動態完了の三形が区別されていた。英語には二つの分詞があり、-ingに終わる形を現在分詞、規則的には-edに終わる形を過去分詞とよぶのが一般である。しかし、これはラテン語文法の伝統をひくものであり、英語における実際の用法は、現在・過去というテンス(時制)とは直接には関係がないのであるから、適切な名称とはいえない。-ing形はbe動詞と結び付いて継続アスペクト(相)を示し、-ed形はhave動詞と結び付いて完了(perfect)アスペクトを示す。この意味で両形は、未完了分詞・完了分詞とよぶこともできる。-ed形はさらにbe動詞と結び付いて受動態を示す。二つの分詞はa running water(流れている水)、a trained nurse(正看護婦)のように形容詞としても用いられる。また、keep a person waiting(人を待たせる)、keep the door closed(ドアを閉めておく)のように補語としても用いられる。Having prepared the next day's lessons, I went to bed(翌日の予習を済ませたので、床についた)のような用法は分詞構文とよばれ、副詞節を構成する。前置詞concerning、接続詞provided that …などを派生させることもある。
[国広哲弥]
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…(3)ある品詞の単語が屈折を示し,そのある形がその単語の他の形とは非常に異なる機能を有することがある。たとえば,英語の動詞語幹に‐ingがついた動名詞,あるいは,同形で〈~しながら〉という意味を表す分詞(現在分詞)は,動詞のその他の形とは非常に異なる機能をもっている。たとえば動名詞は,動詞の他の形とは異なり,名詞に似た用いられ方を有する。…
…これだけの文法的な機能を一つの動詞形がふくむとすると,すべての差別は非常に複雑なものが予想されるが,実際にはギリシア語にくらべてもはるかに規則的で見分けやすい。動詞組織は大別して二つに分かれ,現在・未完了・未来と完了・過去完了・未来完了がそれぞれ一群をなし,おのおのに語幹一つと現在の不定法それに受動完了分詞があたえられれば,その全人称変化はすべての態,法を通じてほぼ自動的にでき上がってくる。たとえば上掲のrego(不定法regere)ならば,完了形はrexi(〈*reg‐s‐i,語幹はrex‐,‐iは1人称単数の語尾)であり,amo〈愛する〉(不定法amare)ならばamavi(ama‐v‐i,語幹はamav‐)である。…
※「分詞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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