デジタル大辞泉 「切掛ける」の意味・読み・例文・類語 きり‐か・ける【切(り)掛ける/斬(り)掛ける】 [動カ下一][文]きりか・く[カ下二]1 切り始める。また、途中まで切る。「枝を―・けてやめる」2 刃物で相手を切ろうとする。切りつける。「袈裟けさ懸けに―・ける」3 切った物を他の物にかけておく。特に、首を切って獄門にかける。「すぐに国中引き渡し、獄門に―・けよ」〈浄・歌念仏〉[類語]切りつける・切りかかる 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「切掛ける」の意味・読み・例文・類語 きり‐か・ける【切掛・切懸】 [ 1 ] 〘 自動詞 カ行下一段活用 〙 [ 文語形 ]きりか・く 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙 刀をふりあげて切りつけようとする。切りかかる。[初出の実例]「『おこしよかおこすまひか』きりかくる」(出典:虎明本狂言・二人大名(室町末‐近世初))[ 2 ] 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙 [ 文語形 ]きりか・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙① 切りはじめる。② 切ったものを他のものの上へかける。[初出の実例]「庵をきりかけ、松のかれ枝、蘆の枯葉を取おほひ、藻しほのけぶりとなし奉り」(出典:平家物語(13C前)三)③ 首を切って獄門にかける。さらし首にする。[初出の実例]「能登殿、防矢射ける兵物(つはもの)ども二百余人が頸きりかけて福原へこそ参られけれ」(出典:平家物語(13C前)九)④ 川の堤などを切り崩して、水を流し入れる。[初出の実例]「土をつきまわいた中え別の物をふせいで水ばかりをきりかけてたむるぞ」(出典:玉塵抄(1563)二七)⑤ 話や相談事などを言いかける。切り出す。特に、遊女や幇間などが、客にものをねだる。[初出の実例]「きついことをきりかけもしめへから、江戸町のかたを付て、いっそをもてむいていってやらうかとも思ふよ」(出典:洒落本・通言総籬(1787)一)⑥ 室町時代、幕府や寺社などが、一定の基準をきめて地口銭など臨時の課役をかけて徴収すること。[初出の実例]「於二当方坊地一被レ切二懸地口一之由注進候」(出典:大乗院寺社雑事記‐長祿四年(1460)閏九月二二日) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例