切磋琢磨(読み)セッサタクマ

デジタル大辞泉 「切磋琢磨」の意味・読み・例文・類語

せっさ‐たくま【切××琢磨】

[名](スル)《「詩経」衛風・淇奥から。「琢磨」は玉・石などを打ち磨く意》学問をし、徳を修めるために、努力に努力を重ねること。また、友人どうしで励まし合い競い合って向上すること。「互いに切磋琢磨して技術改新を成し遂げる」
[類語]練る磨く鍛える磨き上げる練磨する洗練するしご

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精選版 日本国語大辞典 「切磋琢磨」の意味・読み・例文・類語

せっさ‐たくま【切磋琢磨】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「切」は刻む、「磋」はとぐ、「琢」は打つ、「磨」はみがくの意 )
  2. 骨・角・石・玉などを切りみがくこと。みがき上げて細工すること。〔東京教育大本下学集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「切(セツ)、磋(サ)、琢(タク)、磨(マ)と云は、切は、のこぎりにて引切、磋は、つちのやうなる物にて、打はり、琢はやすりにてすり、磨は、こんごうじゃうなどにて、みがかねば玉にはならぬ也」(出典:わらんべ草(1660)三)
  3. 学問や道徳、また技芸などをみがき上げること。
    1. [初出の実例]「憶前乍別信宿憤欝。夜来不審。道体如何。㝡澄蒙免。但出世之友更無他人。善悪之事未蜜。塔院切瑳琢磨。同入水火」(出典:伝教大師消息(824‐831頃))
    2. 「凡(およそ)芸術は、夥(あまた)の月を距(こえ)年を踰(こえ)切磋琢磨(セッサタクマ)の功を積ざれば、その極に至りがたし」(出典:読本・椿説弓張月(1807‐11)前)
  4. 仲間同士互いに戒めあい、励ましあい、また競いあって向上すること。
    1. [初出の実例]「法眷に成て友々に切瑳琢磨するは、尤も可楽事也」(出典:応永本論語抄(1420)学而第一)
    2. 「己は詩によって名を成さうと思ひながら、進んで師に就いたり、求めて詩友と交って切磋琢磨に努めたりすることをしなかった」(出典:山月記(1942)〈中島敦〉)

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四字熟語を知る辞典 「切磋琢磨」の解説

切磋琢磨

石や玉などを磨くように学問、技芸、人間性などを磨き上げること。たゆまぬ努力により自己の力量素質などを磨き上げることのたとえ。また、互いに競い合い、励ましあって向上することのたとえ。

[活用] ―する。

[使用例] 己は詩によって名を成そうと思いながら、進んで師に就いたり、求めて詩友と交わって切磋琢磨に努めたりすることをしなかった[中島敦山月記|1942]

[使用例] 休マズ、遅刻セズ、仕事セズでも給料はもらえる。いまや社員同志の切磋琢磨はカゲグチ以外にはない[山口瞳*江分利満氏の優雅な生活|1963]

[解説] 「切」はきる、「磋」はとぐという意味で、骨や象牙などを加工する場合にいいます。また、「琢」は細工する、「磨」はみがくという意味で、玉や石を加工する場合にいいます。

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とっさの日本語便利帳 「切磋琢磨」の解説

切磋琢磨

骨は切り、象牙は磋(と)ぎ、玉は琢(う)ち、石は磨く、といった精細な加工を施すこと。互いに探究、研鑽(けんさん)し合うことの意。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

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