鍛える(読み)キタエル

デジタル大辞泉 「鍛える」の意味・読み・例文・類語

きた・える〔きたへる〕【鍛える】

[動ア下一][文]きた・ふ[ハ下二]《古くは四段活用
高温で熱した金属を繰り返し打ったり水で冷やしたりして硬度密度などを高め、良質のものにする。鍛錬する。「刀剣を―・える」
練習修練を繰り返し、技術身体精神をしっかりしたものにする。「心身を―・える」「選手を―・える」
いじめる。
「やかましく―・へずとも、はやく汲んでくれろよ」〈洒・南閨雑話
[類語]練る磨く切磋琢磨磨き上げる練磨する洗練するしご

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精選版 日本国語大辞典 「鍛える」の意味・読み・例文・類語

きた・えるきたへる【鍛】

  1. 〘 他動詞 ア行下一(ハ下一) 〙
    [ 文語形 ]きた・ふ 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙 ( 古くは四段活用。→鍛う )
  2. 熱した金属をくり返し、打ったり液体でひやしたりして、良質のものにする。鍛錬する。
    1. [初出の実例]「金をきたふるには、先づ其の金を強き炭火の中に入れて赤くやき」(出典:幼学読本(1887)〈西邨貞〉二)
  3. 練習、修練を繰り返し、技術を習得させ、また、身心を強くする。習熟させる。
    1. [初出の実例]「放埒のなき様によくきたへて下さるならば」(出典:人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)五)
  4. ( 転じて ) いじめる。意地悪くする。
    1. [初出の実例]「やかましくきたへずとも、早く汲でくれろよ」(出典:洒落本・南閨雑話(1773)馴染の体)

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