扱く(読み)シゴク

デジタル大辞泉 「扱く」の意味・読み・例文・類語

しご・く【扱く】

[動カ五(四)]
細長いものを握ったり指で挟んだりして、強く押さえつけるようにしながら、その手や指をこするように動かす。「やりを―・く」「帯を―・く」「あごひげを―・く」
きびしく訓練する。「合宿で新入部員を―・く」
ひどくいじめる。
「そんならこいつもう―・いてしまはにゃならぬ」〈浄・歌祭文
[可能]しごける
[類語]鍛える練る磨く切磋琢磨磨き上げる練磨する洗練する

こ・く【扱く】

[動カ五(四)]
細長い本体に付いている物を手や物の間に挟んで引っぱり、こすり落とす。しごく。「稲を―・く」
間にたるみをなくするためにこするようにして手前に引く。
両手穿めたミット入の黒の長手袋を―・きあげる」〈風葉青春
」に同じ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「扱く」の意味・読み・例文・類語

しご・く【扱】

  1. 〘 他動詞 カ行五(四) 〙
  2. 細長い物を、手の中ににぎりしめたり指で強くはさんだりしたまま、その手や指を、こするように移動させる。こく。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「Xigoqi, u, oita(シゴク)〈訳〉連なった穂先穀粒指先で引き抜く」(出典日葡辞書(1603‐04))
    2. 「長髯を綽(シゴ)いて居た」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉三)
  3. いじめつける。
    1. [初出の実例]「ムムこりゃ理屈じゃ。そんならこいつもふしごいて仕廻はにゃならぬ」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油屋)
  4. ( 比喩的に ) きびしく訓練する。「新入部員をしごく」
    1. [初出の実例]「しごかないリーダーなんてありますか」(出典:チンネの裁き(1959)〈新田次郎〉三)

こ・く【扱】

  1. 〘 他動詞 カ行五(四) 〙
  2. 細長い本体に付いているものを、手でこすったりして、むりに離し落とす。また、草木を根のついたまま引き抜くこともいう。むしり取る。しごく。後には、単にこすることをもいう。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
    1. [初出の実例]「稲といふものをとり出でて〈略〉五六人してこかせ」(出典:枕草子(10C終)九九)
    2. 「土屋伯は、頻(しきり)に鬚(ひげ)を綽(コ)いて居る」(出典:黒潮(1902‐05)〈徳富蘆花〉一)
  3. 力や技をふるう。→腕をこく。〔文明本節用集(室町中)〕
  4. 打つ。たたく。なぐる。
    1. [初出の実例]「漢の伯瑜が母の若き時、枝を以てこかれたれば」(出典:応永本論語抄(1420)里仁第四)

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