① イラクサ科の多年草。関東以西の山野で陰湿の地に生える。高さ五〇センチメートル~一メートル。茎は縦に稜(りょう)があり、直立して叢生する。葉は対生し卵形で、縁に大きな鋸歯(きょし)をもち、さらに小さな鋸歯がある。茎と葉には毒液を含む刺(とげ)がある。秋、葉腋(ようえき)から二本ずつ花穂が出て緑白色の雄花と淡緑色の雌花をつける。茎から繊維をとるほか、葉の汁は蛇にかまれたときの止痛、毒消しに、茎や葉を入れた風呂は疝気(せんき)に効果があるという。いたいたぐさ。おにあさ。ひとさしぐさ。いら。〔塵芥(1510‐50頃)〕