生没年不詳。中国、三国・魏(ぎ)から晋(しん)代の数学者。263年に数学書『九章算術』の優れた注釈書を著した。同書の方田(田の面積計算)の章で円周率に3が用いられていることの不正確さを指摘して、円の面積、円周は、それに内接する正多辺形の辺数を増していったときの面積と周の極限とみなし、正192辺形まで計算して(314+64/625)/100を得、さらに精密な値として(314+4/25)/100=3.1416を示した。商功(土木工事関係の計算)の章でも体積の計算に極限の考えがみられる。同書の内容を補うため「重差」の巻を加え、『九章重差図』1巻を著したが、のちに後者は失われ、前者は独立して『海島算経』1巻として伝えられた。内容は、測量に関する問題を相似三角形の性質を用いて解くものである。
[宮島一彦]
『藪内清編、橋本敬造・川原秀城訳『科学の名著2 中国天文学・数学集』(1980・朝日出版社)』▽『銭宝琮編、川原秀城訳『中国数学史』(1990・みすず書房)』▽『藪内清著『中国の数学』(岩波新書)』
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…数学的には算術や初歩の代数学で処理される問題が取り扱われ,平面および立体の求積問題をはじめ,比例計算,一次多元方程式,二次一元方程式,ピタゴラスの定理の応用,負数を四則計算にとり入れたことなど多方面にわたっている。三国魏の劉徽(りゆうき)が263年(景元4)に加えた注釈はきわめてすぐれており,ことに円周率の計算が注目される。日本には平安朝時代に輸入されたが,その影響はほとんどなかった。…
※「劉徽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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