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劉徽 りゅうきLiu Hui

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

劉徽
りゅうき
Liu Hui

中国,三国魏の数学者。景元4 (263) 年に『九章算術注』を著わした。『晋書』の「律歴志」によると,劉徽は正九十六角形と正百九十二角形の周を計算して 3.141024と 3.142704を得た。この結果円周率を 3.14とした。この計算には素朴な極限の思想が取入れてある。測量に関する著書『海島算経』があり,達することのできない場所までの距離を計算する方法が述べられている。

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百科事典マイペディアの解説

劉徽【りゅうき】

中国,三国の魏の数学者。生没年不詳。263年《九章算術》の注解定本を作り,注の中で極限の考えを用いて円周率・面積・体積を計算した。ほかに《海島算経》を著した。

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世界大百科事典 第2版の解説

りゅうき【劉徽 Liú Huī】

中国,魏・晋時代の数学者。生没年不詳。263年(景元4)に《九章算術》9巻に注釈を加え,《重差》1巻,《九章重差図》1巻を撰した。《重差》は唐代に《海島算経》と称された。《九章算術》の注には多くの創見が見られるが,割円術によって円周率を求める算法には極限の考えが用いられ,円に内接する正192角形の面積によってπ=3.14という近似値を決定し,正3072角形の面積によって3.1416を求めた。【橋本 敬造】

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大辞林 第三版の解説

りゅうき【劉徽】

中国、魏・晋しん時代の数学者。数学書「九章算術」に注釈を施す。その補遺が唐初に出版され「海島算経」と称される。円周率・三角法などに創見を示す。生没年未詳。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

劉徽
りゅうき

生没年不詳。中国、三国・魏(ぎ)から晋(しん)代の数学者。263年に数学書『九章算術』の優れた注釈書を著した。同書の方田(田の面積計算)の章で円周率に3が用いられていることの不正確さを指摘して、円の面積、円周は、それに内接する正多辺形の辺数を増していったときの面積と周の極限とみなし、正192辺形まで計算して(314+64/625)/100を得、さらに精密な値として(314+4/25)/100=3.1416を示した。商功(土木工事関係の計算)の章でも体積の計算に極限の考えがみられる。同書の内容を補うため「重差」の巻を加え、『九章重差図』1巻を著したが、のちに後者は失われ、前者は独立して『海島算経』1巻として伝えられた。内容は、測量に関する問題を相似三角形の性質を用いて解くものである。[宮島一彦]
『藪内清編、橋本敬造・川原秀城訳『科学の名著2 中国天文学・数学集』(1980・朝日出版社) ▽銭宝編、川原秀城訳『中国数学史』(1990・みすず書房) ▽藪内清著『中国の数学』(岩波新書)』

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世界大百科事典内の劉徽の言及

【九章算術】より

…数学的には算術や初歩の代数学で処理される問題が取り扱われ,平面および立体の求積問題をはじめ,比例計算,一次多元方程式,二次一元方程式,ピタゴラスの定理の応用,負数を四則計算にとり入れたことなど多方面にわたっている。三国魏の劉徽(りゆうき)が263年(景元4)に加えた注釈はきわめてすぐれており,ことに円周率の計算が注目される。日本には平安朝時代に輸入されたが,その影響はほとんどなかった。…

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