力学的な原因によるエネルギーで、運動エネルギーと位置エネルギーとからなる。運動する物体は、他の物体に当たるとそれを動かし、ばねなどに当たるとその運動を縮小させる。これらは、運動する物体が他のものに対して仕事をする能力をもつことを示し、その能力は運動エネルギーとよばれる。また物体が重力を受けながら高い場所から低い場所に移動する場合、振り子時計のおもりのように、重力が機械の動力となって仕事をすることができる。これらを位置エネルギーとよんでいる。運動エネルギーと位置エネルギーは互いに移り変わる。物体が力を受け仕事がなされると運動エネルギーは増加するが、その際、蓄えられていた位置エネルギーは減少する。また運動している物体が、ばねなどに当たり仕事をすると、位置エネルギーは増加するが、運動エネルギーは減少する。
重力やばねのような力が働く際に、摩擦や空気の抵抗を受けないならば、運動エネルギーの増加分は、力によってなされた仕事に等しく、またこの仕事は、位置エネルギーの減少分に等しくなる。これより、運動エネルギーと位置エネルギーの和である力学的エネルギーは時刻によらず一定になることが導かれる。これを「力学的エネルギーの保存則」という。
[池田清美]
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「エネルギー」のページをご覧ください。
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…英語ではエナージーenergyという。
【エネルギー概念の発展】
[仕事と力学的エネルギー]
エネルギーの概念が確立したのは19世紀後半であるが,これと深いかかわりをもつ仕事の概念の歴史はずっと古く,すでに紀元1世紀ごろ,アレクサンドリアのヘロンは,てこや滑車などの機械による仕事について,力に関する利得が速さまたは移動距離に関する損失で帳消しにされるということを述べている。これは現在仕事の原理と呼ばれるもので,詳しくいうと次のようになる。…
※「力学的エネルギー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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