白雄(読み)シラオ

デジタル大辞泉 「白雄」の意味・読み・例文・類語

しらお〔しらを〕【白雄】

加舎白雄かやしらお

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精選版 日本国語大辞典 「白雄」の意味・読み・例文・類語

しらおしらを【白雄】

  1. 江戸中期の俳人。加舎氏。信濃の人。本名吉春。別号昨烏(さくう)、白尾坊。松露庵烏明(うめい)白井鳥酔(ちょうすい)に師事し、諸国歴遊芭蕉精神にかえり、技巧を排して自然につくことを唱える。主著「春秋稿」「加佐里那止(かざりなし)」。句集に「しら雄句集」がある。元文三~寛政三年(一七三八‐九一

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改訂新版 世界大百科事典 「白雄」の意味・わかりやすい解説

白雄 (しらお)
生没年:1738-91(元文3-寛政3)

江戸中期の俳人。姓は加舎(かや),名は吉春,通称は五郎吉。父の祖母方の姓をとり,平田忠次郎と名乗ったときもある。江戸深川の人。生年を1735年(享保20)とする説もある。信濃国上田藩士加舎吉享の次男。5歳で母に死別,13歳で家出したとも,また上野国館林の禅寺で修行したともいうが,不明。俳諧ははじめ舎来と号して青峨に学び,ついで烏明に入門して昨烏(さくう)と号し,その師の鳥酔にも学んだ。1769年(明和6)8月,信州にあって処女選集《おもかげ集》を編纂。当時は白尾坊昨烏と号していたが,79年(安永8)の斗墨編《春興帖》に初めて白雄の号が見える。諸国を旅し,関東から信州にかけて多くの門弟を育て,80年には江戸日本橋春秋庵を開き,《春秋稿》初編~第5編を次々に刊行して俳壇に一勢力を築いた。師鳥酔の説をつぎ,俗を離れて自然の雅趣を重んじることを唱えた。作品は繊細な詩情をたたえるが,虚飾を排するあまり平板に終わったものもある。俳論に《加佐里那止(かざりなし)》《寂栞(さびしおり)》,句集に《しら雄句集》がある。〈海はれて春雨けぶる林かな〉(《しら雄句集》)。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「白雄」の意味・わかりやすい解説

白雄
しらお
(1738―1791)

江戸中期の俳人。姓は加舎(かや)。本名吉春。通称五郎吉。初号舎来(しゃらい)、ついで昨烏(さくう)と名のった。別号白尾坊。江戸深川の生まれ。1735年(享保20)を生年とする説もある。信州(長野県)上田藩士の次男。5歳で生母に死別し、13歳のとき家出し、上州館林(たてばやし)で禅寺に修行したともいうが、確かなことはわからない。俳諧(はいかい)は初め青峨(せいが)に学び、ついで烏明(うめい)に入門、さらに烏明の師鳥酔(ちょうすい)にも学んだ。諸国を旅したが、とくに信州へはしばしば足を運んで、多くの門弟を育てた。1780年(安永9)江戸日本橋に春秋庵(あん)を開き、俳諧集『春秋稿』を続刊、俳壇に一勢力を築いた。師鳥酔の説を継ぎ、俗な世界を離れて自然な趣(おもむき)を重んじることを主張した。寛政(かんせい)3年9月13日没。俳論は1771年(明和8)京都の仮寓(かぐう)で書いた『加佐里那止(かざりなし)』がよく知られ、ほかに『寂栞(さびしおり)』(1812)がある。作風は繊細で高雅。編著に『面影集』(1769)、『文車(ふぐるま)』(1772)などがある。

 人恋し灯(ひ)ともしごろをさくらちる
[山下一海]


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百科事典マイペディア 「白雄」の意味・わかりやすい解説

白雄【しらお】

江戸後期の俳人。姓は加舎(かや),名は吉春。別号,春秋庵等。信州上田藩士の次男として江戸に生まれた。1765年鳥酔門の鳥明に入門,鳥酔にも師事してその蕉風復古説の影響を受けた。信濃を地盤として活動,1780年には江戸の日本橋に春秋庵を設け,関東・中部地方に一大勢力を築いた。著書に俳論書《かざりなし》がある。作風は繊細高雅で,中興俳家を代表する一人。→天明俳諧

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「白雄」の解説

白雄 しらお

加舎白雄(かや-しらお)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「白雄」の意味・わかりやすい解説

白雄
しらお

加舎白雄」のページをご覧ください。

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