労働分配率(読み)ろうどうぶんぱいりつ(英語表記)labour's relative share

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

労働分配率
ろうどうぶんぱいりつ
labour's relative share

生産された付加価値のうち,労働者賃金俸給として受取る比率をいい,単に分配率ともいわれる。付加価値額Y ,賃金,俸給総額を W とすれば,分配率は W/Y となり,(YW)/Y は資本分配率となる。指標としては分配国民所得に占める雇用者所得の比率や,企業産業段階における付加価値に占める賃金,人件費割合などが用いられる。

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知恵蔵の解説

労働分配率

企業が新たに生産した付加価値全体のうちそのための労働の提供者に分配された比率を表す。それは、人件費÷付加価値で%表示される。1950年代には労働分配率のレベルを春闘の賃上げ要求の根拠にしていたこともあった。しかし、ここでの人件費には従業員給料手当や福利厚生費の他に役員報酬も含むことから、必ずしも「労働者への報い」の程度を示すものではないし、分母の付加価値が経常利益・人件費・減価償却費などからなり、その大きさとの兼ね合いで変化するため単純に大小を議論することは難しい。ただし、労働分配率には企業経営の基本方針が反映されるといえる。すなわち、たとえばトヨタと日産を比べると、2005年度の労働分配率はトヨタが37.1%、日産が43.9%である。売上高人件費負担率についても1980年代からトヨタは低く、要するに低い労働分配率で付加価値の内部蓄積を続けて今日に至っているといえる。ちなみに10年前、1998年の労働分配率は、日産の75.8%に対してトヨタは43.4%である。これは、トヨタには景気低迷の今日でも高度成長期と変わらない従来の雇用対策を維持することが難しくないことの、大きな要因の1つと言えよう。

(小山明宏 学習院大学教授 / 2008年)

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百科事典マイペディアの解説

労働分配率【ろうどうぶんぱいりつ】

所得の分配のうち労働者の取り分の割合。賃金分配率ともいう。企業が創出した付加価値のうち人件費の占める割合を指す場合と,国民所得に占める労働者所得の割合をいう場合がある。後者の場合,日本では就業者の30%が個人事業者および家族従業者であるため,様々な定義が可能である。労働分配率は不況期に上昇し,好況期に下落する傾向がある。

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ビジネス用語集の解説

労働分配率

労働分配率とは、会社、社員によって生み出された
付加価値に対して給与(人件費)として分配される、
割合を示した指標の事を言います。

労働分配率の中の付加価値とは、会社の売上の中から、
仕入れに対する支払い、その他必要な支払いを除いたもので、
会社がどれだけ商品に価値を付加して売上を得たかを示します。

一般的に労働分配率を算出するには以下の式が用いられます。

労働分配率(%)=人件費/付加価値×100

付加価値=売上高-変動費

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人事労務用語辞典の解説

労働分配率

労働分配率とは、経済活動によって生み出された富が、家計サイド(労働者)にどれだけ配分されているかを表す指標です。算出方法にはさまざまな定義がありますが、通常は家計が受け取る『雇用者報酬』を、『国民所得』、あるいは『GDP(名目国内総生産)』で割って計算します。
(2007/3/19掲載)

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ナビゲート ビジネス基本用語集の解説

労働分配率

事業活動によって新たに生み出された価値(付加価値)のうち、従業員にどれだけ分配されたかを示す指標。「人件費総額/付加価値額」によって求められる。 一般的に、資本集約型産業の労働分配率は低く、労働集約型産業のそれは高い。また、好況期は低く不況期は高いという傾向もある。 なお、マクロ経済においては、国民所得に対する雇用者所得の割合を指す。

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世界大百科事典 第2版の解説

ろうどうぶんぱいりつ【労働分配率】

労働分配率(たんに分配率と呼ぶこともある)とは付加価値額のうち人件費の占める割合のことで,労使間での付加価値の分配の指標として広く使われている。付加価値額は経常利益,人件費,金融費用,賃借料租税公課,減価償却費の合計額とするのが通例であるが,ときには減価償却費控除後の純付加価値をとるものもある。純付加価値に対しては粗付加価値という。人件費は役員給料手当,従業員賃金給料手当,雑給,福利厚生費,退職金退職給与引当金および賞与引当金繰入額などの合計額である。

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大辞林 第三版の解説

ろうどうぶんぱいりつ【労働分配率】

国・産業・企業における、所得ないし付加価値額に対する労働者の取り分の割合。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

労働分配率
ろうどうぶんぱいりつ
distributive share of labour

国民所得のうち労働に分配される比率をいう。Yを国民所得、Wを賃金総額、wを1人当りの賃金、Lを雇用労働量とすれば、この分配率αは、

で表される。αは技術進歩の分類やインフレーションの説明などによく使用される。たとえば、価格pが労働コストに一定率のマージンmを上のせして決められるとすれば、
  p=(1+m
となる。もしmが一定だとすれば、pの上昇率G(p)は、
  G(p)=G(α)=G(w)-G(y)
である。ここでyは労働生産性(Y/L)であり、G(y)は技術進歩率を表す。この式は、賃金率が労働生産性よりも上昇率が高ければ、物価が上昇し、逆の場合には物価が下がることを意味する。[大塚勇一郎]

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精選版 日本国語大辞典の解説

ろうどう‐ぶんぱいりつ ラウドウ‥【労働分配率】

〘名〙 一国の経済、特定産業などが作り出した所得または付加価値の中に占める賃金・俸給の割合。

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