日本大百科全書(ニッポニカ) 「労働政策研究・研修機構」の意味・わかりやすい解説
労働政策研究・研修機構
ろうどうせいさくけんきゅうけんしゅうきこう
労働に関する調査・研究、および研修を行う公的機関。英語名はThe Japan Institute for Labour Policy and Training、略称はJILPT。独立行政法人労働政策研究・研修機構法(平成14年法律第169号)に基づき、2003年(平成15)に設立された厚生労働省所管の独立行政法人。本部所在地は東京都練馬区上石神井(かみしゃくじい)。1958年(昭和33)設立の日本労働協会(1990年に雇用職業総合研究所と統合して日本労働研究機構となる)と、1964年設立の労働省労働研修所(2001年に厚生労働省労働研修所となる)が統合されて独立行政法人となったものである。
JILPTの目的は、内外の労働事情、労働政策の調査・研究、また厚生労働省職員等の研修を行うことにより、労働政策の企画立案および推進に寄与し、もって労働者の福祉の増進と経済の発展に資する、ことである(労働政策研究・研修機構法第3条)。そのうちの調査・研究活動を行う組織として労働政策研究所(所在地は本部と同じ)が設置されている。JILPTが自主的に実施する「プロジェクト研究」と厚生労働省からの要請で実施する「課題研究」があり、雇用、労使関係など多様な研究が行われる。そのほか、各種統計データの収集、海外の研究機関などとのネットワーク形成などを進めている。研修・研究活動を行う組織として労働大学校(埼玉県朝霞(あさか)市)が設置されている。ここでは労働行政にあたる行政職員などの研修を行うとともに、それを通じて労働行政の現場でおきている問題の研究を進める。これらの研究の成果は、報告書などの刊行物、ニュースレター、ホームページなどで発表しており、また労働政策フォーラムなども開催している。
[編集部]